ユンカース Ju352ヘルクレス試作輸送機

Junkers Ju352 "Herkules"

ドイツ空軍

Ju352V1
Ju352原型1号機(Ju352V1)

 1930年代初頭に設計開発されたJu52/3mは 第二次大戦開戦の頃になると旧式化していると判断せざるを得なくなってきていた。そこで、1941年 末にエンジンをユンカース「ユモ」211(1,350馬力)へ変更し、旧式ユンカース機の特徴であっ たヴェルブレヒ外板(Wellblechbeplankung/Wellblechは波トタン板の意味)から滑らかな金属製外板に 変更した近代化改修原型Ju252原型が製作されたが、計画よりも性能が下回ったため近代化改修は中 止となってしまった。
 戦況の悪化から、貴重な戦略物資である金属資源をあまり使用しない輸送機の開発へシフトした結果、 Ju252のエンジンを1,000馬力級のものへダウングレードし、また構造を全金属製から木金混合 布張り(プロペラも木製となった)へと変更したJu352原型が1943年に製作された。エンジンは 在庫に余裕のあったBMW製ブラモ323が採用されており、構造こそ旧式機に逆戻りした感があるもの の、胴体後部には貨物用油圧昇降機が装備され、また尾部にはグライダー曳航用ウインチが搭載されるな ど、これまでの輸送機運用での経験が生かされた機体であった。
 しかし、構造の変更による重量増加から他国輸送機に比べ性能的に劣っていたことは否めず、また戦況 から航空機生産は戦闘機優先との命令が出されたこともあり、生産数はあまり多くない。

機体詳細データ(Ju352A)
全長24.60m全高 5.74m
全幅34.20m翼面積128.20m2
自重12,500kg最大重量19,600kg
最高速度370km/h(高度5,050m)上昇限度6,000m
航続距離1,700km巡航速度241km/h
発動機BMW ブラモ323R-2「ファフニール」空冷星形9気筒 1,000馬力×3
(MW-50水・メタノール噴射装置使用時の緊急出力は1,200馬力)
乗員数3〜4名総生産機数45機
武装7.92mm機銃×2(胴体側面銃座)、20mm機関砲×1(背部銃座)
(4,300kgの貨物搭載可能)
主要タイプ Ju352V1:原型機
Ju352A:生産型。原型機に準ずる。Ju352A-1とも呼称される
Ju352B:出力強化、武装強化の改良型。計画のみ