ユンカース Ju322マンムート試作輸送グライダー

Junkers Ju322 "Mammut"

ドイツ空軍

Ju322
Ju322原型機

 英国本土侵攻計画”ゼーレーベ[Seelöwe]作戦”で重砲や軽車両の空挺輸送を行う必要があると考えた ドイツ軍当局は、ユンカース社とメッサーシュミット社に対して、輸送能力の大きなグライダー型輸送機の開 発を指示した。
 ユンカース社では戦略物資を使用しない構造の大型グライダーを検討し、この機体は約20トンの物資を輸 送できると見積もりした(輸送可能なものとしてはIV号戦車や 88ミリ対空砲(88mmFlak38)、ハーフトラックなどの陸上兵器やそれらに必要な弾薬・燃料などが想定され た)。
 非戦略物資製ということで全木造構造となった原型機は1941年に完成した。古いユンカース社製大型機 のように分厚い主翼を持っている機体で、胴体部分は尾翼をささえるための梁となる細いものでしかなかった ため、ほぼ全翼機に近いエイのようなシルエットをしていた。しかし、全木製構造のため機体重量が大きくな り、積載量は見積もりよりも少なくなってしまっている。
 41年4月にJu90に曳航されての初 飛行は無事に成功したが、積載量は11トン程度にまで縮小され、空力デザイン的にも再考の必要があると考え られたため、同年5月にメッサーシュミット社の機体(Me321)の 採用と、Ju322の開発中止が決定された。Ju322原型機は完成直前だった原型2号機とともに解体処分 されてしまっている。

機体詳細データ(Ju322(一部計画値))
全長28.90m全高 6.60m
全幅62.35m翼面積925.00m2
自重29,219kg最大重量45,219kg
最高速度210km/h(曳航限界)上昇限度不明
乗員数操縦2名+銃手3名総生産機数1機(+ほぼ完成1機)
武装7.92mm機銃×3(機首銃座2、背部銃座1)
主要タイプ Ju322V1:原型機。原型2号Ju322V2は98%完成時点でキャンセル