ユンカース Ju288試作爆撃機

Junkers Ju288

ドイツ空軍

Ju288V2
BMW801エンジン装備のJu288A原型2号機(V2)

 1936年にドイツ航空省が出した新世代爆撃機の開発計画「爆撃機B」(Bomber B)により 開発された機体。この計画は戦闘機よりも速い速度をもって敵戦闘機防空網を突破できる双発爆 撃機を求めたもの(仕様では最高速度600キロ/時以上、爆弾搭載量4トンでフランスやノル ウェーに展開した前線基地からイギリス本土を爆撃できる能力を持つ)で、航空省では完成した ばかりのJu88を新型機開 発のベースの一つとして選定した。
 ユンカース社ではJu88の設計を一部流用し、与圧操縦席や爆弾倉の大型化、新型エンジン による出力強化を盛り込んだ設計を行ったが、大出力の「ユモ」222エンジンの開発に手間取っ たため、原型1号機はBMW801エンジンを搭載して1940年11月に初飛行した。
 BMW801エンジンは当初計画していた「ユモ」222エンジンよりも出力が低かったため、 原型機は所定の性能を発揮できず、また「ユモ」222エンジンの早期完成が見込めないことが 判明したため、1942年にDB606エンジン (He177に使用された ものと同じ結合エンジン)を搭載する原型機が製作された。しかしこの機体はHe177同様に エンジンの冷却問題や稼働率の悪さに泣かされることになった。
 エンジンの問題に手間取っている間に戦局は連合国側へ傾き、連合軍の爆撃も激化したことか ら、戦闘機の開発を優先した航空省は1944年になって当機の開発を中止した。

機体詳細データ(Ju288B:一部計画値)
全長17.80m全高 4.50m
全幅22.70m翼面積64.60m2
自重17,645kg最大重量20,950kg
最高速度620km/h上昇限度9,300m
航続距離2,700km巡航速度不明
発動機ダイムラーベンツ DB606 液冷結合V型24気筒 2,700馬力×2基
乗員数 4名総生産機数18機(22機説あり)
武装13mm機銃×4、20mm機関砲×1、爆弾3,000kg搭載
主要タイプ Ju288A:BMW801エンジン(1,700hp)を搭載した初期原型機(7機)
Ju288B:機体を拡大した原型機。原型9号機のみ「ユモ」222エンジン(2,500hp)搭載(7機)
Ju288C:DB606エンジン搭載の原型最終型(4機)
Ju288D:尾部防御兵装を改修したJu288C。原寸大模型のみ
Ju288G:35.5cm無反動砲を搭載する対艦攻撃機型。計画のみ