ユンカース Ju188爆撃機

Junkers Ju188

ドイツ空軍

Ju188A
「ユモ」213エンジン搭載のJu188A

 1936年に完成した高速爆撃機Ju88は、 それまで使用していた爆撃機に比べ優秀な機体であったが、ドイツ航空省や空軍はその性能に満足して いなかったため、1939年に航空省はユンカース社に対しJu88の性能向上の指示を行った。そこ でユンカース社では「ユモ」211エンジンを強力なBMW801もしくは「ユモ」213に変更する 改修設計を開始、40年にJu88Aの機体にBMWエンジンを搭載した原型機を完成させた。
 Ju88B−0と名付けられた原型機は優秀な性能を示したが、既存の機体をそのまま使用したため 爆弾搭載能力が小さく、また高空性能も高くなかった。そこで主翼を延長した生産前機も製作されたが、 航空省が納得する機体とはならなかった。
 1942年になってJu88をベースに開発が進められていた新型爆撃機 Ju288の早期完成が見込めな いこととなり、当機の完成が急がれるようになった。原型機の設計を改修し、尾翼のデザインや操縦席 まわりを大きく改修した機体は42年10月に完成し、Ju188として翌年から量産開始となった。
 基本的に「ユモ」213エンジン搭載のA型とBMWエンジン搭載のE型があるが、他に能力向上 型のC、D、Fや爆弾搭載量を増加したG、H、夜間戦闘機型のRなど派生型も多く、高々度を飛行 する戦闘機型なども計画された。
 しかし、当機が前線に出るようになった1944年頃にはドイツ空軍の制空権は限られており、爆撃 機が活躍できる舞台は残されておらず、一千機以上製作された当機の大半は偵察機として使用されている。

機体詳細データ(Ju188E−2)
全長14.96m全高 4.44m
全幅22.00m翼面積56.00m2
自重9,900kg最大重量14,500kg
最高速度499km/h(高度6,000m)上昇限度9,500m
航続距離2,160km巡航速度不明
発動機BMW 801G-2 空冷星形複列18気筒 1,700馬力×2基
乗員数 5名総生産機数1,076機
武装7.92mm機銃×2(連装旋回)、13mm機銃×2(胴体銃座)、20mm機関砲×1(機首銃座)、
爆弾3,000kgまたは航空魚雷×2搭載
機体詳細データ(Ju188A−2:寸法等はE型とほぼ同じ)
自重10,000kg最大重量15,300kg
最高速度523km/h(高度6,250m)上昇限度10,060m
航続距離2,160km巡航速度不明
発動機ユンカース「ユモ」213A 液冷V型12気筒 1,750馬力×2基
主要タイプ Ju88B V1:Ju88A-1を改修した原型機。BMW801Aエンジン(1,560hp)搭載
Ju88B-0:Ju88A-4をベースにした原型機
Ju188V:当初Ju88V44と呼ばれた原型機。BMW801もしくはJumo213を搭載可能
Ju188A-1:Jumo213Aエンジン(1,750hp)搭載の爆撃機型。生産数はごく少数
Ju188A-2:Jumo213AにMW50メタノール噴射装置を付けた離昇出力強化型エンジン搭載型
Ju188A-3:A-2にFuG200海上捜索レーダーを搭載した機体
Ju188E-1:BMW801エンジン搭載の爆撃機型
Ju188E-2:E-1に航空魚雷搭載能力を持たせた爆/雷撃機型
Ju188C:A-1を改修した防御火力強化型。1機のみ改修
Ju188D-1:A-1を改修した長距離偵察型
Ju188D-2:D-1と同様の機体だが海上捜索レーダーを搭載
Ju188F-1:E-1を改修した長距離偵察型
Ju188F-2:F-1と同様の機体だが海上捜索レーダーを搭載
Ju188H-2:Jumo213搭載の胴体延長型。未完成
Ju188G-2:BMW801搭載の胴体延長型。未完成
Ju188J:与圧コクピットを持つ高々度重戦闘機型。計画のみ
Ju188K:与圧コクピットを持つ高々度爆撃機型。計画のみ
Ju188L:与圧コクピットを持つ高々度偵察機型。計画のみ
Ju188S:高速迎撃戦闘機型。Jumo213E-1エンジン(2,050hp)搭載。試作のみ
Ju188T:S型に似る高速侵入攻撃機型。試作のみ