グラマン J2Fダック水陸両用機

Grumman J2F "Duck"

合衆国海軍航空隊 他

J2F
米海軍所属のJ2F−5

 グラマン社最初の生産機FF−1(米海軍向けに製作された複葉戦闘機)の設計をベースにした水陸両 用機。グラマン社は1932年にFF−1などの長所を組み合わせた新しい汎用水陸両用機の提案を 米海軍におこない、その結果XJF−1の名称で原型機開発の契約を得た。
 1933年に初飛行したこの機体は翌年制式採用されJF−1の名称で米海軍向けに生産が開始さ れた。このJF−1は旧式化していたローニングOL−9観測機の代替として1936年から配備が 開始され、続いて第二期分として生産された機体もJF−2もしくはJF−3の名で沿岸警備隊と海 軍に納入されている。
 その後一部改良を加えた機体(上下補助翼間の連結支柱撤去などが大きな相違点)がJ2Fと名付 けられ、海軍および海兵隊に配備されるようになったが、太平洋戦争が勃発するとその発注数も急激 に増え、大戦中全期を通じて沿岸哨戒、写真測量、捜索救難、標的曳航などの任務に従事した。基本 的には陸上基地からの出撃となったが、航空母艦からの運用も可能なため洋上哨戒に使用されること もあった。
 なお『ダック』(アヒルの意)と愛称が付けられたのはJ2F−5以降の機体からであったが、後 年全ての機体がダックの愛称で呼ばれるようになった。

機体詳細データ(J2F−6)
全長10.36m全高 4.24m
全幅11.89m翼面積38.00m2
自重2,000kg最大重量3,490kg
最高速度306km/h上昇限度7,600m
航続距離1,200km巡航速度249km/h
発動機ライト R-1820-54「サイクロン」空冷星形9気筒 900馬力×1基
乗員数2〜3名総生産機数約600機
武装通常は武装なし(7.62mm後方旋回機銃×1と147kg爆雷×2を搭載可能)
主要タイプ XJF-1:原型機の呼称
JF-1:最初の海軍向け生産型。P&W R-1830エンジン(700hp)搭載
JF-2:沿岸警備隊向け機体。ライトR-1820エンジン(750hp)搭載
JF-3:JF-2と同様の機体だが海軍向けに装備品を変更したモデル
J2F-1:後期生産モデル。J2F-1〜J2F-4までは小変更程度の機体相違しかない
J2F-5:『ダック』と名付けられた最初のモデル。R-1820-50エンジン(850hp)搭載
J2F-6:最多生産数の最終型。R-1820-54エンジン搭載。コロンビアエアクラフト社製造