イリューシン Il−4爆撃機

Ilyushin Il-4(DB-3F)
Ильюшин Ил-4(ДБ-3Ф)


ソビエト赤軍

Il-4
Il−4

 1938年にDB−3爆撃機の変形機と して開発された機体で、外観はDB−3とは全く異なった印象をあたえる。機首は細く流線型の総ガラ ス張りになり、機首旋回銃座は自在式の機銃座に変更され、搭載エンジンも出力の大きなM−88に変 更された。
 1939年末からDA(Дальняя Авиация:長距離航空軍)へ 納入が開始され、当初の呼称DB−3FからIl−4へ名称が変更となった。量産開始直後の機体は金属部品の不足から原型では金属製だった主翼桁を木製に変 更していた(後期生産型では軽合金の主翼桁へ復活している)。当時のソビエトの資源状況を理解した 設計がされていたため、この構造素材の変更は容易に行えるようになっていたが、木製構造を持つ機体 は重量増加や強度不足から若干飛行性能が低下した。
 長距離爆撃機に使用された機体の他、海軍に納入された機体もあり、バルト海や黒海艦隊に配備された 機体は機雷敷設や雷撃任務に従事した。また長距離航空軍の機体は各種爆弾を搭載し、長距離爆撃だけで なく前線の戦術目標爆撃にも使用されている。
 1944年に生産が終了しているが、頑丈で使いやすかった機体のため大戦終戦後も長い間第一線で 使用され、冷戦時代にはNATOコード「ボブ」[Bob](ごまかし、いんちきの意)が付けられている。

機体詳細データ(Il−4)
全長14.80m全高 4.10m
全幅21.44m翼面積66.70m2
自重5,800kg最大重量11,300kg
最高速度430km/h(高度6,700m)上昇限度9,700m
航続距離3,800km巡航速度332km/h
発動機ツマンスキー M−88B 空冷星形複列14気筒 1,100馬力×2基
乗員数 3〜4名総生産機数5,200機以上(5,256機説あり)
武装7.62mm機銃×2、12.7mm機銃×1、爆弾最大2,500kg
主要タイプ DB-3F:初期機体の呼称。搭載エンジン等はDB-3Mと同等
Il-4:改称後の呼称。後期型はM-88Bエンジン(1,100hp)搭載
Il-6:ACh30Bディーゼルエンジン(1,900hp)搭載の改良型。計画のみ(ごく少数機製作説あり)