イリューシン Il−10地上攻撃機

Ilyushin Il-10
Ильюшин Ил-10


ソビエト赤軍

Il-10M
Il−10M地上攻撃機

 Il−2シュトルモビクの後継機として 1943年に開発された機体で、一部木製であったIl−2とは異なり全金属製で空力的形状が改善さ れていた。またIl−2と同様に乗員とエンジンは厚い装甲で覆われており、地上からの銃撃に耐えら れるようになっていた。
 1944年8月から量産が開始されたIl−10は翌年2月に初めて実戦使用され、ドイツ降伏直前 には多数の部隊がIl−10への機種変更を終了していた。ドイツ降伏後はかなりの数のIl−10が 極東方面へ移され、1945年8月の短期だが大規模な対日本作戦に投入されている。
 戦後もIl−10の生産は続けられソビエト製の最終機は1955年に生産ラインを出ている。朝鮮 戦争でも多数の機体が使用されたが、対する米国製戦闘機の進化も著しく時代遅れとなりつつあったI l−10は多数の損害を出しており、後継機となるような機体は開発されなかった(その後1970年 代後半にSu−25が就 役するまで、ソビエト空軍には「攻撃機」(シュトルモビク)に分類される機体が配備されなかった)。
 ソビエト以外にもチェコスロバキアでも約1,200機のIl−10が生産されており、東欧諸国軍 やイエメン内戦などに使用されている。
 なお、戦後当機につけられたNATOコードは「ビースト」[Beast](けだもの、野獣の意)である。

機体詳細データ(Il−10)
全長11.06m全高 4.18m
全幅13.40m翼面積30.00m2
自重4,680kg最大重量6,500kg
最高速度530km/h(高度2,400m)上昇限度7,250m
航続距離 800km巡航速度500km/h弱
発動機ミクーリン AM-42 液冷V型12気筒 2,000馬力×1基
乗員数 2名総生産機数4,966機(ソビエトでの生産数)
武装23mm機関砲×2、7.62mm機銃×2(前方固定)、20mm機関砲×1(後方旋回)、爆弾最大600kg
主要タイプ Il-8:Il-2の機体に強力なAM-42エンジンを搭載した原型。不採用
Il-10:Il-10原型機を含む生産型呼称。全金属製機体、完全引き込み脚
Il-10M:角張った主翼を持つ改良型。離陸用増力ロケット装備可能
Il-10U:複座練習機型。別名UIl-2とも呼称される
B-33:チェコスロバキアで生産されたIl-10の呼称
CB-33:チェコスロバキアで生産されたIl-10Uの呼称