ポリカルポフ I−16戦闘機

Polikarpov Istrebitel-16
Поликарпов Истребитель 16


ソビエト赤軍 他

I-16
機首機銃の照準・弾道調整をするI−16

 ソビエトTsKB(中央設計局)の技術者ポリカルポフを中心としたチームが設計した単座単葉戦闘機 原型TsKB−12が元となった機体。国産のM−22エンジンを搭載した原型機は海面高度での水平飛 行時に360km/hという記録を示し、即制式機として採用となった。
 制式機としては世界初の単葉引き込み脚装備機であった当機は、1935年5月1日のメーデーにモス クワ上空の空中分列式で一般公開され1939年に生産が終了するまで、エンジンや武装の改良を加えな がら生産された。また第二次大戦が始まると驚くべき事にこの時代遅れとなった機体の生産が再開され、 第二次大戦中頃まで対地攻撃や地上支援などの任務に投入されている。
 ソビエト軍に配備された機体はノモンハンの対日本軍戦やフィンランド冬戦争、東部戦線における対ド イツ軍など幅広い戦場で活躍し多くの”ソ連邦英雄”や”親衛隊員”といった称号を持つエースパイロッ トを生み出した。また、海外顧客としてはスペイン共和派へ約300機が納入されており、イスパノスイ ザ社によるライセンス生産機も含めてスペイン内乱で戦っている。スペインでは当機にモスカ(Mosca:蝿の意) とあだ名をつけられている。

機体詳細データ(I−16タイプ24)
全長 6.04m全高 2.41m
全幅 8.88m翼面積14.87m2
自重1,475kg最大重量2,060kg
最高速度490km/h(高度3,000m)上昇限度9,470m
航続距離600km巡航速度410km/h
発動機シュベツォフ M−62 空冷星形9気筒 1,000馬力×1基
乗員数1名総生産機数8,600機以上(9,450機説有り)
武装一般的に7.62mm機銃×4、爆弾最大200kg
主要タイプ TsKB-12:原型機。M-22エンジン(480hp)搭載
TsKB-12bis:改良型原型機。サイクロンエンジン(700hp)搭載
тип は「タイプ」という意味です
I-16тип 1:初期型。別名I-16M-22。7.62mm機銃×2、M-22エンジン搭載
I-16тип 4:最初の主要生産型。輸入したサイクロンエンジン(700hp)搭載
I-16тип 5:M-25エンジン(700hp)搭載。初期のモデルには爆弾架装備
I-16тип 6:M-25Aエンジン(730hp)搭載。機体構造強化
I-16тип 10:M-25Vエンジン(750hp)搭載。7.62mm機銃×4
I-16тип 17:翼下にロケット弾搭載可能。20mm機関砲×2、7.62mm機銃×2
I-16тип 18:M-62エンジン(920hp)搭載。7.62mm機銃×4、落下増槽装備可能
I-16тип 24:M-62改エンジン(1,000hp)orM-63エンジン(1,100hp)搭載。主翼形状変更
I-16тип 28:開戦後再生産されたモデル。M-63エンジン搭載。同様なтип 30もある
I-16P:主翼に20mm機関砲を装備した原型機。TsKB-12Pからの改称
I-16Sh:TsKB-18原型機に装甲と7.62mm機銃を搭載した対地攻撃原型機。量産されず
I-16SPB:TB-3爆撃機を利用した「寄生」戦闘機モデル。тип 5改造
I-16TK:排気タービンを2基搭載したтип 10改造機。ごく少数生産
UTI-1:тип 1をベースにした複座練習機
UTI-2:UTI-1に固定脚を装備したモデル
UTI-4:別名I-16UTI。тип 5をベースにした複座練習機。大半は固定脚式