フェアリ ヘンドン爆撃機

Fairey Hendon

英国空軍

Hendon
英空軍第38飛行隊所属のヘンドンII

 英航空省が1927年に出した夜間爆撃機の仕様書B.19/27に応えて開発された機体。同仕様書に ハンドリ・ページ社とヴィッカース社は旧式な複葉爆撃機(ハンドリ・ページ・ヘイフォードおよびヴィッ カース・タイプ150)を提示したが、フェアリ社は全金属構造布張りの低翼単葉固定脚機を提示した。
 意欲的かつ先進的なフェアリ社の機体(34年まではフェアリ夜間爆撃機[Fairey Night Bomber]と呼ばれ ていた)だったが、ブリストル「ジュピター」エンジンを搭載した原型1号機は不具合が多く、再設計を求 められたため、英航空省はハンドリ・ページ・ヘイフォードを大量発注した。
 フェアリ社ではエンジンをロールスロイス「ケストレル」に変更し改良を行った機体を再提出、ヘンドンの 名称で14機の発注を受けることに成功した。生産型は36年から37年にかけて製作され、1号機は36年 末に就役した。この機体は英空軍初の単葉双発爆撃機であった。生産型は全機が第38飛行隊に所属したが、 その後一部が分遣され第115飛行隊となった。
 それなりに優秀な機体であったため、さらに60機の追加発注が予定されたが、36年に初飛行した ホイットレー爆撃機ウェリントン爆撃機などに比べ劣っていた ため、追加発注はキャンセルとなり、部隊のヘンドンも38年からウェリントンと交代を始め、その後は 無線士訓練や地上作業訓練用の機体として使用された。
 原型を含め15機しか生産されなかったヘンドンであるが、事故で喪われた機体は2機(改修前の原型機と、 地上で整備員の手により移動させられていた1機)のみで、信頼性の点では優秀な機体であったと言える。

機体詳細データ(ヘンドンII)
全長18.52m全高 5.72m
全幅31.01m翼面積134.43m2
自重5,790kg最大重量9,070kg
最高速度249km/h(高度4,570m)上昇限度6,530m
航続距離2,090km巡航速度214km/h
発動機ロールスロイス「ケストレル」VI 液冷V型12気筒 600馬力×2基
乗員数5名総生産機数14機+原型1機
武装7.7mm機銃×3(機首、胴体、尾部各銃座1)、1,660lb(753kg)までの爆弾を搭載可能
主要タイプ Hendon I:原型機。「ジュピター」エンジン(460hp)搭載(1機)
Hendon II:「ケストレル」エンジン搭載の生産型(14機)
Hendon III(?):仕様書B.20/34に基づく改良型。過給器付き「ケストレル」エンジン(695hp)搭載。キャンセル