ハインケル He51戦闘機

Heinkel He51

ドイツ空軍

He51B
スペイン内乱時、コンドル部隊(第88戦闘機大隊)所属のHe51B−1

 1930年代初頭にハインケル社へ加わり、後に伝説的設計者として名を残すことになるギュンター兄弟 が同社で初めて完成させた機体He49を発展させた機体。1932年に完成したHe49は3機の試作機 が製作されたが、翌年ナチスが政権を奪取すると同時に発展型He51aの開発が始まった。
 1933年7月に完成した原型1号機は流線型の胴体に段違いの複葉主翼を持つ機体で、液冷のBMWエ ンジンが搭載されていた。まだベルサイユ条約の制限により空軍力の配備を禁止されていたドイツであった が、即戦力となりえる当機は秘密裏に量産が行われることになった。そのため1935年に条約が修正され、 新生ドイツ空軍が誕生したとき全世界が目にしたのは、近代化の進んだ部隊と、その中核をなすHe51戦 闘機の編隊であった。
 36年のスペイン内乱に際し、ドイツはフランコ軍への武器供与としてHe51を送り、その後に派兵さ れたコンドル軍団もHe51を装備していたが、人民戦線が保有する −15戦闘機に比べ空戦能力 に劣り、SB−2爆撃機よりも遅いため 迎撃できない状況であることが判明してからは、主に地上攻撃や近接支援にまわされるようになった。
 第二次大戦が始まる前にHe51は第一線を退き訓練任務に従事していたが、1943年頃に東部戦線で 航空機不足が深刻になると、ハインケル社はHe51の機体にグノーム・ローヌ社の空冷エンジンを搭載し たHe52を設計した。この機体は対パルチザン攻撃や夜間騒擾攻撃などの任務に投入されることを想定し ており、ハンガリー空軍の手で試験の後採用される予定であったが、やはり旧式化した設計のため不採用と なり、同任務にはイタリア製のCR32複葉戦闘機が使用されることになった。

機体詳細データ(He51B−1)
全長 8.40m全高 3.20m
全幅11.00m翼面積27.20m2
自重1,460kg最大重量1,895kg
最高速度330km/h(海面高度)上昇限度7,700m
航続距離 570km巡航速度280km/h
発動機BMW IV73Z 液冷V型12気筒 750馬力×1基
乗員数1名総生産機数約1,000機
武装7.92mm機銃×2(前方固定)、後に軽爆弾(10kg)×6搭載の改修を施した
主要タイプ He51a:最初の原型機。He49cの設計を改良した(1機)
He51A-0:He51aに準ずる生産前機(9機)
He51A-1:He51A-0に準ずる初期生産型(500機)
He51B-0:増槽を搭載し、主脚を強化したモデルの生産前機(12機)
He51B-1:He51B-0に準ずる生産型(200機以上)
He51B-2:双フロートを装備した水上戦闘/偵察機型(75機)
He51B-3:高々度飛行能力を持たせた機体。試作のみ
He51C-1:軽爆弾を搭載する武装搭載点を装備した改良型。79機はスペインへ派兵(100機)
He51C-2:C-1型に改良型無線機を搭載した後の呼称。独空軍にて練習機として使用(21機改修)
He52:エンジンをグノーム・ローヌ「ミストラルメジャー」に変更した試作機