ハインケル He219ウーフー夜間戦闘機

Heinkel He219 "Uhu"

ドイツ空軍

He219
He219A−5

 ハインケル社が自主的に計画を策定したP1060戦闘爆撃機はかなりの可能性を秘めた 計画であったが空軍上層部の不理解と判断ミスから1941年に夜間戦闘機としての可能性 を認められるまで、ほとんど無視された状態であった。
 1942年11月にようやく完成した原型機を使用して ドルニエDo217ユンカースJu88の夜間戦闘 機型などと模擬戦闘を行った結果、非常に優秀な成績を収めドイツ空軍は急遽300機(当初は1 00機程度の予定だった)の発注を行った。
 レーダーや胴体上部のシュレーケ・ムジーク(上方へ向いた機関砲。日本の斜銃と類似)装備機 など多数の派生型が作られているが、どれも生産機数は少なく大局を変えるには至らなかった。し かし当機を使用した第1夜戦航空団のベルナー・シュトライプ少佐は1回の出撃で アブロ・ランカスターを5機撃 墜するなどの戦果を挙げており、優秀な夜間戦闘機であったことは確かである。
 なお操縦席レイアウトは操縦士と航法士(レーダー操作員)が背中合わせに座るという変わった 形をしており、制式機として世界初の射出座席を装備していた。またドイツ空軍で最初の3輪降着 装置装備機でもあった。
 ちなみに「ウーフー」とはフクロウのことで、夜間戦闘機としてふさわしい名称であった といえる。

機体詳細データ(He219A−7/R1)
全長15.54m全高 4.10m
全幅18.50m翼面積44.50m2
自重11,200kg最大重量15,300kg
最高速度670km/h上昇限度12,200m
航続距離2,000km巡航速度630km/h
発動機ダイムラーベンツ DB603G 液冷倒立V型12気筒 1,900馬力×2基
乗員数 2名総生産機数300機程度(268機説が有力)
武装30mm機関砲×6(主翼2、腹部2、背面斜銃2)
主要タイプ He219V:原型機。正式にはHe219V1のように製造(計画)順に番号が付与された
He219A-0:DB603エンジン搭載の生産前機。機体により武装はまちまち
He219A-1:DB603Eエンジン(1,800hp)搭載の生産型計画。1機のみ
He219A-2:生産型。DB603Aエンジン。基本武装は30mm機関砲×2、20mm機関砲×4
He219A-2/R1:A-2型の武装交換型。20mm機関砲×6
He219A-2/R2:A-2型の武装交換型。30mm機関砲×2、20mm機関砲×2
He219A-2/R3:A-2型の武装交換型。30mm機関砲×4、20mm機関砲×2
He219A-2/R4:A-2型の武装交換型。A-2型と砲数は同様だが機銃の種類が異なる
He219A-3:3座戦闘爆撃機型。DB603Gエンジン(1,900hp)搭載。計画のみ
He219A-4:ユモ222エンジン搭載の偵察機型。計画のみ
He219A-5:主要生産型。基本武装は30mm機関砲×2、20mm機関砲×6
He219A-5/R4:3座に改修された機体。旋回銃座(13mm機銃×1)を追加
He219A-6:2段過給DB603Lエンジン搭載の軽量型。対「モスキート」追撃機
He219A-7:最終生産型。DB603Gエンジン(1,900hp)。基本武装は30mm機関砲×2
He219A-7/R1:A-7型の武装追加型。30mm機関砲×6
He219A-7/R2:A-7型の武装変更型。前方発射30mm機関砲×4〜6
He219A-7/R3:A-7型の武装追加型。30mm機関砲×4、20mm機関砲×4
He219A-7/R4:A-7型の武装追加型。30mm機関砲×2、20mm機関砲×4
He219B:胴体と全幅を延長した機体拡大型。試作機のみ
He219C-1:B型の主翼を備えた4座型夜間戦闘機。30mm機関砲×4、20mm機関砲×2
He219C-2:B型の主翼を備えた4座戦闘爆撃機。30mm機関砲×2、500kg爆弾×3
He319:多用途発展型の計画名。計画のみ
He419:各種の開発計画名。実機が完成したのは偵察型He419B-1/R1のみ
Hü211:ヒュッター博士設計の高々度戦闘機。He219の胴体に新設計主翼を装備