ハインケル He119試作偵察爆撃機

Heinkel He119

ドイツ空軍

He119
He119V4原型4号機?(陸上機型)
He119
He119V3原型3号機(水上機型)

 ハインケル社が高速爆撃機を目指して1936年に開発を行った機体。高速を発揮するためDB 601エンジンを2基結合して製作されたDB606エンジンを胴体中央部に搭載し、空気抵抗を 軽減するため全面プレキシグラスで覆われた操縦席の中央部を、延長したプロペラ軸が貫通(2 名の操縦士は延長軸の両側に分かれて搭乗)するという特異な形状をしていた。
 1937年11月22日に原型4号機が有償荷重1,000kgを搭載し高度1,600mで最 高速度620km/hという世界記録を樹立し、この設計が有効であることを証明したが、2基の エンジンを組み合わせた機関の冷却問題やプロペラ延長軸などの技術的問題に悩まされ、また連結 エンジンのベースとなるDB601エンジンの供給不足から制式採用には至らなかった。
 8機製造された原型機のうち2機(爆撃機型生産前機V7およびV8)は日本海軍が1941年 に研究用として輸入し運用したが、両機とも事故で失われている。ドイツに残った原型機も複数の 連結エンジン用テストベッドとして使用されたが1942年頃スクラップにされてしまった。

機体詳細データ(He119陸上機型)
全長14.80m全高 5.40m
全幅16.00m翼面積50.00m2
自重5,200kg最大重量7,570kg
最高速度600km/h(高度4,000m)上昇限度8,500m
航続距離3,100km巡航速度425km/h
発動機ダイムラーベンツ DB606 液冷倒立V型結合24気筒 2,350馬力×1基
乗員数 3名総生産機数 8機
武装7.92mm機銃×1(背部銃座)、250kg爆弾×3(偵察型は武装なし)
主要タイプ He119V1〜V3:原型機。1〜2号機は陸上機、3号機は水上機型として製作された
He119V4:速度記録飛行に使用された原型機(陸上型)
He119V5〜V6:偵察機型の生産前機。偵察型生産機はHe119Aとなる予定だった
He119V7〜V8:爆撃機型の生産前機。爆撃型生産機はHe119Bとなる予定だった