ハインケル He115水上雷撃機

Heinkel He115

ドイツ空軍 他

He115
模擬魚雷搭載作業中のHe115B−1

 双フロート水上機が本格的に使用された最後の戦争となる第二次大戦において、最も大型で頑丈だった 水上雷撃兼偵察機がこのHe115である。この機体はドイツ本国はもとより、ノルウェー・フィンラン ド・スウェーデン、さらには英国空軍も使用していた。
 1937年8月に初飛行したHe115はモノコック式の胴体を持つ全金属製で、米プラット&ホイッ トニー社のホーネットエンジンを改良したBMW132Kエンジンを搭載していた。翌年にはドイツ軍に 採用され、ノルウェーとスウェーデンからも発注を受けている。
 1940年のノルウェー侵攻の際にはドイツ・ノルウェー両軍により活発に使用され、ノルウェーがド イツに攻略された後ノルウェー機3機がスコットランドに逃れ、戦場で捕獲されたHe115B−1と共 に英国空軍の一連番号を付けられ、スペアパーツが無くなるか機体がダメになるまで使用された。英国空 軍の機体はマルタ島方面でドイツ軍の塗装のまま諜報活動などに従事したりノルウェー方面の偵察活動な どを行ったが、ノルウェー方面の偵察活動は味方機に攻撃される恐れが大きかったため短期間で中止され た。
 ドイツ空軍の機体は主に機雷敷設任務などに従事していたが、1942年頃から北海方面でソビエト向 け輸送船団の攻撃任務に従事するようになった。大戦末期には時代遅れである当機の活躍の場は無くなっ てしまったが、1944年半ばまで支援任務などに従事していた。

機体詳細データ(He115C−1)
全長17.30m全高 6.30m
全幅22.20m翼面積86.80m2
自重6,870kg最大重量10,700kg
最高速度346km/h上昇限度6,200m
航続距離2,100km巡航速度不明
発動機BMW 132K 空冷星形9気筒 960馬力×2基
乗員数 3名総生産機数138機
武装7.92mm機銃×5、15mm機関銃×1、外部に250kg爆弾×2または500kg爆弾×1、
胴体内に航空魚雷×1又は500kg機雷×2又は250kg爆弾×3又は500kg爆弾×1
主要タイプ He115V:原型機。正式にはHe115V1のように製造(計画)順に番号が付与された
He115A-0:He115V3同様の長い風防を持つ機体の生産前機。7.92mm機銃×1
He115A-1:最初の生産型。7.92mm機銃×2、魚雷×1または250kg爆弾×3
He115A-2:輸出向け機体の総称。装備や武装等は相手国によりまちまち
He115A-3:A-1型同様のドイツ空軍向け機体。無線装置等が改修された
He115B-0:燃料容量を増加させた改良型生産前機
He115B-1:B-0型の生産型。機雷敷設能力を付与(500kg機雷×2等)
He115B-2:雪上・氷上への離着水用にフロートを補強した機体
He115C-1:武装強化型。7.92mm機銃×5、15mm機銃×1
He115C-2:C-1型にB-2型同様の補強フロートを装着した機体
He115C-3:機雷敷設専用機。極地向け機体には前方射撃兵器は搭載されなかった
He115C-4:魚雷投下(雷撃専用)機。前方射撃兵器は搭載されていない
He115D-0:BMW801Cエンジン(1,600hp)搭載の出力強化型原型。原型のみ
He115E-1:第二期生産型。C-1型に似るが搭載武装が若干異なる