ハインケル He112戦闘機

Heinkel He112

ドイツ空軍(コンドル軍団)他

He112V3

He112B
(上)He112V3原型機/(下)スペイン空軍所属のHe112B

 旧式化しつつあったHe51戦闘機の後継となる新型戦闘機の開発仕様書をドイツ航空省が19 33年に示し、この仕様書に基づいてハインケル社が開発した機体。他メーカーも同仕様書に基づ く機体を開発したため最終的に競争試作となった。
 1935年に完成した原型機は、ライバル機であるBf109に 劣ると判断され不採用となったが、ハインケル社では全金属製逆ガル単葉主翼の近代的な当機設計 案を捨てることができず、改良を続けることにした。改良を続けるうちに初期原型機からかけ離れ たスタイルの機体になっていったが、性能は向上しBf109の初期型に劣らぬ機体へと発展した。 しかし航空省はBf109の量産を決定していたため、ドイツ空軍にHe112は採用されず、ハ インケル社では改良型を輸出用戦闘機として販売することになった。
 軽量化された原型9号機(V9)をベースにしたB型を最初に輸入したのは日本海軍で、193 8年に中国大陸で使用する陸上戦闘機として12機(うち2機はA−0型。契約は30機だが12 機が先に引き渡された)を調達した。ところが最高速度こそ日本海軍の新鋭機 九六式艦上戦闘機より 速かったものの運動性能が劣っており、格闘戦を重視する日本軍の思想に合わなかったため前線任 務へ投入されずに終わり、残りの18機は引き渡しの遅れもあってキャンセルされている。
 他の輸出用機体は内戦中のスペイン(日本がキャンセルした機体も含む)に送られ、ドイツ義勇 軍(コンドル軍団)やフランコ軍に使用された。またルーマニアやハンガリーにも少数機が輸出さ れているが、最終的な生産数は100機程度で、輸出機としても成功作とは言い難いものとなった。

機体詳細データ(He112B−2)
全長 9.22m全高 3.82m
全幅 9.09m翼面積17.00m2
自重1,617kg最大重量2,248kg
最高速度510km/h上昇限度9,500m
航続距離1,150km巡航速度不明
発動機ユンカース「ユモ」210Ga 液冷倒立V型12気筒 700馬力×1基
乗員数 1名総生産機数100機程度(102機説あり)
武装7.92mm機銃×2(機首)、20mm機関砲×2(主翼)
主要タイプ He112V1:原型1号機。ロールスロイス「ケストレル」エンジン(695hp)搭載
He112V2:原型2号機。Jumo210Cエンジン(640hp)搭載。原型3号機(V3)も当機に似た機体
He112V4:原型4号機。改良された機体。8号機までがA型原型となった
He112A-0:生産前機。原型機(V4以降)に準ずる。生産数は少数(6機程度?)
He112V9:小型軽量化した改設計機原型(原型9号機)。B型原型となった
He112B-0:原型9号機に準ずる生産前機。ごく少数生産(3機程度?)
He112B-1:原型9号機に準ずる初期生産型。生産数は少数(6機程度?)
He112B-2:主要生産型。B-1型とまとめてE型とする資料もある