ハインケル He100戦闘機

Heinkel He100

ドイツ空軍 他

He100
He100D−1戦闘機

 ドイツ空軍の要求によって製作されたHe112戦闘機は結局 メッサーシュミットBf109戦闘機と の競争に敗れドイツ空軍に制式採用されることは無かった(ハインケル社はこの機体を輸出専用とし、少数機が 海外へ販売された)。
 ハインケル社はHe112の性能アップを目指し、さらに高速を発揮できる戦闘機を作り上げた。これがHe 100と名付けられた機体で、特殊な加圧蒸発冷却装置を付けたダイムラーベンツDB601エンジンを積んで いた。原型2号機は1938年6月6日に100km周回路で陸上機の世界記録をうち立てたがハインケル社は 同年に日本とスペインに売り渡したHe112戦闘機の評判を高めるために、この機体を公式にはHe112U と呼んだ。また絶対速度記録に挑んだ原型8号機は1939年3月30日に時速747kmを記録した。
 だが高速を目指す実験機としては優秀でもドイツ空軍の実験では操縦性の欠陥があきらかとなり、量産型とし て尾翼と冷却システムを改修したHe100Dが少数生産された。このD型は第二次大戦中にハインケル社の工 場防空のため自社操縦士が搭乗して迎撃任務に従事したと言われる。
 ハインケル社(エルンスト・ハインケル博士)のナチスと相容れない政治姿勢や、DB601エンジンの使用 がBf109優先と決定されたことにより、搭載エンジンが不足してしまったHe100が採用されることはな く、ハインケル社が同機体のライセンスを外国に販売することは許可されたものの、日本とソビエトが参考機体 としてごく少数機を輸入しただけで、ライセンス生産などは行われなかった。

機体詳細データ(He100D−1)
全長 8.19m全高 2.50m
全幅 9.42m翼面積14.50m2
自重2,070kg最大重量2,500kg
最高速度670km/h上昇限度9,890m
航続距離1,010km巡航速度520km/h
発動機ダイムラーベンツ DB601M 液冷V型12気筒 1,175馬力×1基
乗員数 1名総生産機数 24機
武装7.92mm機銃×2、20mm機関砲×1
主要タイプ He112U:原型1〜3、8号機の公式名称。速度記録用機
He100B:原型4、5号機の名称。若干の設計変更あり
He100C:原型6、7、9号機。最初の武装搭載型。20mm機関砲×2、7.92mm機銃×4
He100D-0:腹部冷却器搭載型の生産前機。20mm機関砲×1、7.92mm機銃×2
He100D-1:He100D型の生産型。十数機が製作されたのみ