ハンドリ・ページ ハロー爆撃機

Handley-Page H.P.54 "Harrow"

英国空軍

Harrow
英国空軍所属のハローMk.I

 旧式で不格好な複葉爆撃機ハンドリ・ページ・ヘイフォードとビッカース・バージニアの後継機を求める 仕様書B3/34に基づき(同じ仕様書に基づいた機体として アームストロング・ホイットワース・ホイットレーがある) 開発された機体。羽布張り複葉機から全金属製単葉機への進化過渡期に設計された機体だけあって、大きな 固定脚など旧式な部分も多く残された機体である。この機体は爆撃専用機としてではなく爆撃/練習機とい う中間的な機体として設計され、後に高性能な爆撃機が就役した場合には第一線を退き20座の輸送機へ転 用できるよう最初から考えられていた。
 ハンドリ・ページ社は当機の製作にあたって下請け方式という新たな生産方法を生み出し、大工場で一括 生産されていた機体製造を地方の小工場へ分散させるようにした。このことは修理の際にもパーツ単位で交 換可能という利点を生み出している。
 1937年に生産の終了した当機だが第二次大戦後期まで就役を続けており、珍しい任務としては空中機 雷(パラシュートに吊した爆薬に長いピアノ線を垂らしたもので、このピアノ線を敵機が引っかけると爆薬 が線をつたい降りてきて敵機に損害を与える)の散布があった。1940年10月からの試験では4〜5機 の「撃墜」を記録したものの実用的でないとしてこの空中機雷散布任務は中止された。
 空中機雷の任務が中止された後は当初の計画どおり輸送機としての任務に従事しており、第二次大戦終結 とともに退役した。

機体詳細データ(ハローMk.II)
全長25.04m全高 5.92m
全幅26.95m翼面積101.26m2
自重6,170kg最大重量10,400kg
最高速度322km/h(高度3,050m)上昇限度6,950m
航続距離2,000km巡航速度262km/h
発動機ブリストル「ペガサス」XX 空冷星形9気筒 925馬力×2基
乗員数4〜5名総生産機数100機
武装7.7mm機銃×4(機首・背面各1、尾部2)、3,000lb(1,360kg)までの爆弾
主要タイプ H.P.54:社内モデル名。提案は仕様書B3/34、生産は仕様書B29/35に基づく
Harrow Mk.I:初期生産型。ペガサスXエンジン(850hp)搭載(19機)
Harrow Mk.II:後期生産型。ペガサスXXエンジン(925hp)搭載。動力銃座を採用(81機)