ハンドリ・ページ ハリファクス爆撃機

Handley Page H.P.57 "Halifax"

英国空軍 他

Halifax
ハリファクス原型2号機(ハリファクスMk.

 1935年に出された英国空軍の要求仕様書B1/35は ビッカース・ウェリントン爆撃機の後継機となる大型爆撃 機を求めるものであった。その要求書に基づいてハンドリ・ページ社はHP55と呼ばれる機体の設計を提出したが、 これは不採用に終わった。
 翌年、高速戦術爆撃機を求める要求仕様書P13/36が出されたとき、ハンドリ・ページ社は失敗に終わったHP5 5の設計を変更し1937年4月に軍の指示でロールスロイス・バルチャーエンジン2発を使用したHP56原型機2機 の契約を得ることに成功した。しかしバルチャーエンジンに不満(不安)を持っていたハンドリ・ページ社は軍当局を説 得しマーリンエンジン4発を搭載したHP57の開発を進めることにしたのである。
 1938年末にはHP57生産型機100機の発注を受けたハンドリ・ページ社であったが、開発に深刻な遅れを生じ ており、原型1号機は武装を施さないまま1939年10月にあわただしく初飛行を行った。1940年10月には生産 型機であるハリファクスMk.がロールアウトし部隊配備が始まった。
 胴体を複数に分割し別々に製造することで量産性を高めた当機は破損に対する交換修理も容易であったという。またM k.III型はエンジンをブリストル・ハーキュリーズに変更して性能向上を図っている。
 あまりに有名になってしまったアブロ・ランカスター爆撃機と は異なり当機は名を売ることこそ出来なかったが、ランカスターがドイツ上空での夜間爆撃任務に従事していたころ、ハ リファクスはランカスター以上に多くの戦場で幅広い任務へ従事していたのである。

機体詳細データ(ハリファクスB.Mk I srs1)
全長21.36m全高 6.32m
全幅30.12m翼面積116.00m2
自重15,400kg最大重量26,300kg
最高速度426km/h上昇限度7,000m
航続距離3,000km巡航速度340km/h
発動機ロールスロイス「マーリン」X 液冷V型12気筒 1,280馬力×4基
乗員数 7名総生産機数6,200機程度(6,176機説あり)
武装7.7mm機銃×8、航空魚雷×2または爆弾(機雷)最大5,900kg
機体詳細データ(ハリファクスB.Mk III)
全長21.82m全高 6.32m
全幅31.75m翼面積110.60m2
自重不明最大重量24,675kg
最高速度454km/h(高度4,115m)上昇限度7,315m
航続距離3,000km巡航速度不明
発動機ブリストル「ハーキュリーズ」VI 空冷星形複列14気筒 1,680馬力×4基
乗員数 7名総生産機数上記参照
武装7.7mm機銃×9(機首銃座1、胴体銃座4、尾部銃座4)、
航空魚雷×2または爆弾(機雷)最大5,900kg
主要タイプ HP56:仕様書P13/36に基づく原型機。RRバルチャーエンジン搭載
HP57:当機の社内モデル呼称(Halifax Mk.Iのみ)
HP58:尾部に20ミリ機関砲を搭載した計画機の社内呼称
HP59:各モデルの社内呼称。社内モデル番号は他に61、63、70、71がある
※以下のモデル名のうち「srs」とは「series(シリーズ)」の略を示しています
Halifax B.Mk I srs1:最初の生産型。マーリンXエンジン(1,280hp)、7.7mm機銃×8
Halifax B.Mk I srs2:改良型。全備重量を増加させるため構造を強化している
Halifax B.Mk I srs3:B.Mk I srs1の搭載燃料増加型。後期型はマーリンXXエンジン
Halifax B.Mk II srs1:連装背面機銃座採用。マーリンXXエンジン搭載
Halifax B.Mk II srs1A:機首、背面銃座を撤去し空力学的に洗練された機体。速度増加
Halifax GR.Mk II srs1:B.Mk II srs1の対潜・船舶哨戒任務改装型。srs1Aも存在
Halifax B.Mk III:ハーキュリーズVIエンジン(1,680hp)搭載の主要生産型。レーダー搭載
Halifax GR.Mk III:B.Mk IIIの対潜・船舶哨戒任務改装型
Halifax C.Mk III:B.Mk IIIの輸送機改装型。貨物および人員輸送用
Halifax A.Mk III:B.Mk IIIの空挺用改装型。落下傘降下およびグライダー曳航用
Halifax Mk.IV:エンジン取り付け部を再設計した試験機
Halifax B.Mk V srs1:B.Mk II srs1と同様だが、降着装置をダウティ社製に変更した機体
Halifax B.Mk V srs1A:B.Mk II srs1A同様だが、降着装置をダウティ社製に変更した機体
Halifax GR.Mk V srs1:B.Mk V srs1の対潜・船舶哨戒任務改装型。srs1Aも存在
Halifax A.Mk V srs1:B.Mk V srs1の空挺用改装型。srs1Aも存在
Halifax B.Mk VI:ハーキュリーズ100エンジン(1,800hp)搭載型。装備はB.Mk IIIと同様
Halifax GR.Mk VI:B.Mk VIの対潜・船舶哨戒任務改装型
Halifax C.Mk VI:B.Mk VIの輸送機改装型
Halifax B.Mk VII:B.Mk VIにハーキュリーズXVIエンジン(1,680hp)を搭載したモデル
Halifax C.Mk VII:B.Mk VIIの輸送機改装型
Halifax A.Mk VII:B.Mk VIIの空挺用改装型
Halifax C.Mk VIII:輸送機型新造機。ハーキュリーズXVIエンジン。乗客7名+貨物3,600kg
Halifax A.Mk IX:空挺用型新造機。ハーキュリーズXVIエンジン。兵員16名or貨物3,630kg
Halton I:戦後に民間輸送機へ改修された機体の呼称
Halton II:戦後にVIP輸送機へ改修された機体の呼称