フィアット G50フレッチア戦闘機

Fiat G50 "Freccia"

イタリア王立空軍 他

G50
スペイン内戦に参加した実験戦闘機大隊所属のG50(生産型13号機)

 1935年にジョセッペ・ガブリエリ(Giuseppe Gabrielli)が設計を開始したG50は、イタリア空軍当 局の徹底的な改修命令を受けて難産の末に完成した。初飛行は1937年2月26日で、このときにパイロッ トからきりもみの傾向が強いことが指摘されたが、この欠点は終戦まで改修されていない。
 G50は全金属製の低翼単葉機で舵面のみが布張り、左右間隔の広い内側への引き込み脚が装備されている。 1939年に実験機大隊が12機のG50でスペイン内戦にイタリア支援軍として参加して、実戦でのテスト も行っている。第二次世界大戦が始まったときには97機のG50がイタリア空軍には就役していた。
 航続距離の短いG50は有効な役割を果たすことが難しかったが、1941年にはエーゲ海やサルジニア島に 展開してイギリス軍と交戦し、その後の対ギリシア作戦ではアルバニアにも展開している。
 1943年9月にイタリアが降伏後に残っていた飛行可能なG50は、ドイツ軍と共に戦ったファシスト共和 国軍の練習機として使用されている。また1939年にフィンランドに輸出された35機のG50も冬戦争や 継続戦争の間ソ連機と戦い、当機に登場したパイロットの何名かは敵機5機以上撃墜の戦果を挙げている。

機体詳細データ(G50)
全長 7.79m全高 2.96m
全幅10.96m翼面積18.15m2
自重1,980kg最大重量2,400kg
最高速度472km/h上昇限度9,800m
航続距離 670km巡航速度400km/h
発動機フィアット A74RC38 空冷星形複列14気筒 840馬力×1基
乗員数 1名総生産機数 779機
武装12.7mm機銃×2
主要タイプ G50原型:原型及び生産前機。密閉式操縦席を持つが、飛行安定性に難あり
G50:生産型。設計改修した垂直尾翼と解放式操縦席を持つ
G50b:複座複操縦装置付き練習戦闘機型
G50bis:改良型。垂直尾翼と方向舵を改設計。航続距離延長
G50bis A:G50bisを改修した戦闘爆撃機型。300kgまでの爆弾を搭載可能
G50bis A/N:空母「アキーラ」搭載用の試作複座戦闘爆撃機型原型。12.7mm機銃×4、250kg爆弾搭載
G50ter:フィアットA76エンジン(1,000hp)を搭載した高速型原型機。最高速度530km/h
G50V:ダイムラーベンツDB601エンジン(1,100hp?)搭載の試験機。最高速度580km/hを記録