フリート フォート練習機

Fleet 60K Fort

カナダ空軍

Fort
カナダ空軍のフォートMk.I(写真は最終納入機)

 カナダのフリート航空機社により自費開発された機体。それまでの複葉形態に見切りを付けた 同社では1938年に単葉全金属構造機の開発に着手、1940年3月初飛行に成功した。
 一部外皮が布張りだったり、固定脚・支柱付き主翼など旧式な部分もある機体だが、段差の付 いたタンデム操縦席や機体転覆の際に操縦士を保護するため強化された垂直安定板など、新時代 の練習機として見るべき点も多かった。特筆すべきは主脚で、固定式ながら練習生に引き込み脚 の操作を慣れさせるため整形部分(主脚上部。緩衝装置より上の部分)のみを引き込める形態と していたことである。主脚が完全に引き込まれないため練習生が主脚操作を忘れても無事に着陸 できるようになっていた。
 折しも第二次大戦開戦により操縦士の大量養成プラン(British Commonwealth Air Training Plan)が 発動されたため、1940年にカナダ空軍から大量の発注を受け翌年初頭に納入が開始されたが、 米国からの機体供与もあって当初200機だった発注は100機あまりに削減され、中等練習機と しての寿命も短かった。42年には後部席に後ろ向き座席と無線装置を搭載し主脚整形を取り外し た無線練習機へと改造されてしまい、45年にはほぼ全機が退役してしまった。

機体詳細データ(フォートMk.I)
全長 8.18m全高 2.51m
全幅10.97m翼面積20.07m2
自重1,150kg最大重量1,600kg
最高速度261km/h上昇限度4,600m
航続距離970km巡航速度217km/h
発動機ジェイコブス L-6MB 空冷星形7気筒 330馬力×1基
乗員数 2名総生産機数101機
武装武装なし
主要タイプ Fleet 60K:中等練習機型の社内モデル名。L-6MBエンジン搭載
Fleet 60:高等練習機型の社内モデル名。L-7エンジン(360hp)搭載予定。製作されず
Fleet 60L:初歩練習機型の社内モデル名。L-4Mエンジン(225hp)搭載予定。製作されず
Fort Mk.I:カナダ空軍における中等練習機型の制式名称
Fort Mk.II:無線練習機に改造後の機体名称。胴体上部の枠型アンテナが特徴