フレットナー Fl265試作回転翼機

Flettner Fl265

ドイツ空軍

Fl265V2
Fl265原型2号機(Fl265V2)

 ドイツ回転翼機開発の第一人者であるアントン・フレットナー[Anton Flettner]は1930年代初頭に 新しい構想の機体を考案した。この構想は、エンジンで回転翼を駆動させたときに生じる回転モーメント (トルク)を処理するため、二枚羽回転翼それぞれに小さなエンジンと牽引式プロペラを取り付けること で、トルクをおこさず回転翼を回すものであった。この構想に基づく試作機は1932年に地上へロープ で繋いだまま初飛行に成功したが、その後突風にあおられ大破してしまった。
 その後、フレットナーはオートジャイロとヘリコプターのハイブリッドであるFl185を完成させた。このFl18 5は、回転翼と胴体脇の張り出しに設置された2つのプロペラを持ち、オートジャイロとして飛行する場 合は、回転翼が空転することで揚力を生み出し両脇のプロペラで推進したが、ヘリコプターの場合は回転 翼をエンジンで駆動させ、両脇のプロペラは互いに反対方向へ回転させることでトルクをうち消すように なっていた。しかしFl185は数回飛行したのみで、1937年には新機軸を求めFl265の開発が 開始された。
 Fl265は交差する形に配置された回転翼が、互いに反対方向へ回転することでトルクをうち消して おり、そのためFl185のような胴体両脇にあったプロペラは無くなった。また操縦安定性を高めるた め尾部には垂直尾翼と水平尾翼が装備されていた。1939年5月に初飛行した原型1号機はローターの 衝突事故により喪われたが、原型2号機はドイツ海軍が実施した各種テストに合格し、量産命令が出され ることとなった。だが、フレットナーはすでに新たな機体設計を完成させていたため、この量産契約はキ ャンセルとなり、 Fl282の開発へ移行していった。

機体詳細データ(Fl265)
全長 6.16m全高 2.82m
全幅12.3m×2(各ローター回転円直径)翼面積237.62m2(ローター軌道円面積)
自重 800kg最大重量1,000kg
最高速度160km/h上昇限度4,100m
航続距離300km巡航速度135km/h
発動機ブラモ Sh14A 空冷星形7気筒 160馬力×1基
乗員数1名総生産機数6機
武装武装なし
主要タイプ Fl184:オートジャイロ機原型。飛行せず破損のため開発中止
Fl185:ヘリコプターとオートジャイロのハイブリッド機。数度の飛行で開発中止
Fl265:独海軍の発注により開発された双ローターヘリ。原型6機のみ製作