コールホーフェン FK52戦闘機

Koolhoven F.K.52

オランダ空軍 他

FK52
フィンランド空軍のFK52

 1930年代半ばに各国で複座戦闘機の研究開発が盛んになったが、オランダのコールホー フェン社も例外でなく複座戦闘機の開発を行っている。当機はすでに時代遅れとなりつ つあった複葉固定脚というスタイルをしていたが、密閉式操縦席や車輪式の尾輪を備えるなど 新鋭単葉機への過渡期的存在でもあった。
 1937年2月に原型1号機が初飛行したが、この1号機は同年8月に事故により喪われて しまった。しかし軽快な運動性や強力な固定武装を有力視したオランダ空軍は39年になって 36機の量産型を発注した。
 ところが39年9月に第二次大戦が勃発し、オランダはドイツに占領されてしまったため、 当機がオランダ空軍に配備されることは無かったのである。占領までに数機(原型2〜3号機 と量産型が約5機)が製造されていた当機はオランダ国内の倉庫に死蔵されることになった。
 翌40年になって、ソビエトとの戦争(冬戦争)下のフィンランドを支援するため、スウェー デン貴族のカール・グスタフ・フォン・ローゼン伯爵([Count Carl Gustaf Ericsson von Rosen]: 航空冒険家。独空軍ゲーリング元帥の妻の甥でもある)は私費によりDC−2旅客機と当機の 原型機2機を購入して義勇軍に志願した。DC−2は爆撃機に改造され、この爆撃機を護衛す るために購入された当機はフィンランド空軍へ譲渡された。
 フィンランド空軍に所属した2機は、冬戦争休戦後も空軍で使用され1941年に再度勃発 した対ソビエト戦(第2次ソ・フィン戦争、「継続戦争」とも呼ばれる)にも参加したが、両 機とも戦争で喪われてしまった。
(注:資料によってはローゼン伯の原型機購入の方がオランダ空軍の発注より先であり、オラ ンダ空軍の発注もフィンランドへの売却がきっかけとなったと述べられているもの (Warbirds掲載の、 まなかじ氏の記事を参照のこと) もある)

機体詳細データ(FK52)
全長 8.25m全高 3.30m
全幅 9.80m翼面積28.40m2
自重1,650kg最大重量2,500kg
最高速度380km/h上昇限度9,800m
航続距離1,130km巡航速度308km/h
発動機ブリストル「マーキュリー」VIII 空冷星形9気筒 840馬力×1基
乗員数 2名総生産機数原型3機+5機程度
武装20mm機関砲×2(前方固定、フィンランドでは7.7mm機銃に換装)、
7.62mm機銃×1(後方旋回)、胴体下に150kgまでの爆弾搭載可能
主要タイプ F.K.52:複座複葉戦闘機。量産型は軍に就役できず