コールホーフェン FK51練習機

Koolhoven F.K.51

オランダ空軍 他

F.K.51
オランダ海軍航空隊のFK51(P&W社製エンジン搭載機)

 航空エンジニアであるフリッツ・コールホーフェン(Sytse Frederic Willem "Frits" Koolhoven)は イギリスなどで仕事をした後、1930年に祖国オランダで自身の会社を設立した。いくつかの民間用 機を製作した後、1930年代半ばにオランダ政府が出した軍用練習機のコンペに応じて設計した複葉 機が当機の原型となった。
 オランダ空軍は1936年から37年にかけ、この機体を25機発注した(その後29機を追加発注 している)。また海軍航空隊が24機を導入、オランダ領東インド陸軍にも28機(+7機?)が納入 された。
 内戦中のスペイン共和政府は、原型機が行った展示飛行に興味を示し、28機の機体を発注した。し かし、オランダ政府はスペイン(共和政府・フランコ軍双方)への武器輸出を禁じていたため、これら の機体は秘密裏にスペインへ送られ、共和政府は夜間飛行練習だけでなく夜間戦闘機や偵察機としても 任務に投入した。そのためスペインの機体には7.7ミリ機銃3丁(前方固定2、後方旋回1)が装備 されている。
 第二次大戦が勃発した時点でも、オランダ軍の機体は操縦士育成の任務に従事していたが、ドイツ軍 の侵攻により大半が地上で破壊されてしまった。蘭印で使用されていた機体も日本軍の侵攻により大半 が破壊もしくは鹵獲されているが、旧式だったため再使用されず、その後の運命は定かではない。

機体詳細データ(FK51:オランダ空軍仕様)
全長 7.80m全高 2.80m
全幅 9.00m翼面積27.00m2
自重1,000kg最大重量1,600kg
最高速度235km/h(高度2,280m)上昇限度5,000m
航続距離850km巡航速度不明
発動機アームストロング・シドリ 「チータ」IX 空冷星形9気筒 350馬力×1基
乗員数2名総生産機数142機
武装練習任務では武装なし(一部の機体には7.7mm後方旋回機銃×1搭載)
主要タイプ F.K.51:原型を含む総モデルの名称。以下に各国仕様の詳細を示す
原型機:暫定記号Z-1、後に民間登録番号PH-AJV。各地で公開展示飛行を行った(1機)
オランダ空軍:アームストロング・シドリ「チータ」Vエンジン(270hp)搭載モデル(25機)
  〃   :アームストロング・シドリ「チータ」IXエンジン(350hp)搭載モデル(29機)
オランダ海軍:P&W社製エンジン(450hp)搭載モデル(24機)
蘭印陸軍:ライト「ホワールウィンド」エンジン(420hp)搭載モデル(28機+7機?)
スペイン共和派:アームストロング・シドリ「ジャガー」IVaエンジン(400hp)搭載モデル(11機)
   〃   :ライト「ホワールウィンド」R-975Eエンジン(450hp)搭載モデル。F.K.51bisとも呼称(17機)