フェアリ ファイアフライ戦闘攻撃(偵察)機

Fairey Firefly

英国艦隊航空隊 他

Firefly
ファイアフライMk.

 航空母艦に搭載する複座戦闘偵察機を要求した仕様書N5/40に応えて設計された機体。だが戦闘 偵察機というよりも戦闘攻撃機的性格が強く、フェアリ社も同社が製作した フルマーの後継として位置づけていた。
 フルマーよりも洗練された全金属構造の片持ち低翼単葉機で、別々の密閉式座席に操縦士と無線/航 法士を搭乗させるスタイルをしている。主翼後縁にはフェアリ・ヤングマン式フラップを装備しており、 このフラップによって低速での揚力を高め着艦を容易にすることが可能となっている。また艦載機なの で主翼は後方へ折り畳めるようになっている。
 1943年10月から部隊配備が始まった当機は、翌年のノルウェーにおける 独戦艦ティルピッツ攻 撃を初陣とし、東南アジア方面(スマトラ島・カロリン諸島など)で対日本軍戦闘も行った。大戦末期 には日本近海へ展開した航空母艦から日本本土への攻撃にも参加している。戦後も朝鮮戦争やマラヤ紛 争に参加しており、最後のファイアフライは1950年代中頃になって第一線から退役した。
 英国海軍の他にオランダ海軍も当機(英海軍の中古機)を使用しており、オランダのアビオランダ社 がオランダ向け改修を担当した。

機体詳細データ(ファイアフライAS.Mk5)
全長 8.51m全高 4.37m
全幅12.55m翼面積30.66m2
自重4,390kg最大重量7,300kg
最高速度621km/h(高度4,270m)上昇限度8,660m
航続距離2,100km巡航速度354km/h
発動機ロールスロイス「グリフォン」74 液冷V型12気筒 2,250馬力×1基
乗員数 2名総生産機数1,000機以上
武装20mm機関砲×4、翼下に454kg爆弾×2または27kgロケット弾×16
主要タイプ Firefly Mk.I:原型機。グリフォン IIBエンジン(1,730hp)搭載(2機)
Firefly F.Mk I:最初の生産型。大半は「グリフォン」XIIエンジン(1,900hp)搭載(429機)
Firefly FR.Mk I:ASHレーダーをエンジン室下部に追加したモデル(376機)
Firefly F.Mk IA:FR.Mk I基準に改修されたF.Mk Iの呼称
Firefly NF.Mk I:AI Mk10機上レーダーを搭載した夜間戦闘機型。FR.Mk I改修
Firefly T.Mk I:F.Mk I改修の非武装操縦練習機型。後部席を高くした
Firefly T.Mk II:F.Mk I改修の実戦練習機。機関砲武装はそのまま搭載された
Firefly T.Mk III:F.Mk I改修の対潜作戦用練習機
Firefly TT.Mk I:F.Mk I改修の標的曳航機。ごく少数機
Firefly Mk.II:夜間戦闘機型原型。FR.Mk I改修機の目処がついたため生産されず
Firefly Mk.III:グリフォン61エンジン搭載の原型機。生産されず
Firefly F.Mk IV:グリフォン74エンジン(2,100hp)搭載型。外翼に燃料タンク追加
Firefly FR.Mk IV:F.Mk IVの左外翼タンクを撤去し、ASHレーダーを搭載した機体
Firefly TT.Mk IV:F.Mk IV(またはFR Mk.IV)を改修した標的曳航機
Firefly FR.Mk 5:FR.Mk IVの改良型。夜間戦闘機型のNF.Mk5や対潜型のAS.Mk5もある
Firefly AS.Mk 6:AS.Mk 5同様の機体だが、Mk5は米国製、当機は英国製装備搭載
Firefly T.Mk 5:FR(またはAS).Mk5改修の練習機型。標的曳航機のTT.Mk5もある
Firefly TT.Mk 6:AS.Mk 6改修の標的曳航機。オーストラリアにて改修を実施
Firefly AS.Mk 7:グリフォン57エンジン搭載型。機首下部の冷却器が特徴
Firefly T.Mk 7:ASW練習機型。機体はAS.Mk7に準ずる
Firefly U.Mk 8:T.Mk 7改修の無人標的機に付けられた呼称
Firefly U.Mk 9:Mk IVまたはMk 5改修の無人標的機に付けられた呼称