フリート フィンチ練習機

Fleet 16 Finch

カナダ空軍 他

Finch Mk.II
カナダ空軍のフィンチMk.II(フリート・モデル16B)

 1920年代末に設立されたカナダのフリート航空機社は、米コンソリデーテッド社の下請けや ブリュースター社のライセンス生産などを行っていたほか、自社製品として英デ・ハビランド社の タイガー・モスに似た複葉機 (正確にはコンソリデーテッド社の製品(モデル14)が元となっている)の製作販売を行っていた。
 1934年にコンソリデーテッド社は中国から複葉練習機(フリート7、愛称は「フォーン[Fawn]」) の注文を受け、この機体製作をフリート社に行わせることにした。フリート社ではフォーンの設計 改修を行っており、この注文が舞い込んだ時には降着装置や尾翼の改設計を完成させていたため、 この機体にフリート10の名称を与え、中国向けに36機が製作された(他に現地組立用として20機 分の部品も輸出された)。
 フリート10は1938年にカナダ空軍の審査を受け、フリート社に対し完全な軍用型として フリート10の発展改良型開発が要求された。そこで基本形状はそのままに、曲技飛行などの高機動 に耐えうる構造強化を施した機体が完成し、フィンチの名称でカナダ空軍に採用された。初期の 機体は開放式の縦列複座操縦席だったが、冬季の厳しい気候でも訓練に支障の無いよう密閉式に 改められている。
 1939年から納入が開始されたが、同年第二次大戦が勃発し、操縦士の大量養成プラン (British Commonwealth Air Training Plan)もあって400機以上が製作されている。しかし 旧式化してきたため、1944年頃から訓練任務を退き、同任務は米国から供与される PT−26(カナダ名は「コー ネル」)に譲っていった。戦後余剰となった機体が民間市場へ放出され、民間操縦士達に より北米の空を舞い、現在も飛行可能な機体が生き残っている。

機体詳細データ(フィンチMk.II(フリート16B))
全長 6.64m全高 2.36m
全幅 8.53m翼面積18.06m2
自重 510kg最大重量 900kg
最高速度167km/h上昇限度3,200m
航続距離480km巡航速度137km/h
発動機キンナー B5 空冷星形5気筒 125馬力×1基
乗員数2名総生産機数447機(モデル16計)
武装武装なし
主要タイプ Fleet 10A:輸出向け機体。キンナーK5エンジン(100hp)搭載
Fleet 10B:10Aと同等の機体だがキンナーB5エンジン(125hp)搭載
Fleet 10D:10Aと同等の機体だがキンナーR5エンジン(160hp)搭載
Fleet 10D-32:10Dの翼幅を1.2メートル拡大したモデル
Fleet 10E:10Aと同等の機体だがワーナー・スカラブエンジン(125hp)搭載
Fleet 10F:10Aと同等の機体だがワーナー・スーパースカラブエンジン(145hp)搭載
Fleet 10G:10Aと同等の機体だがデ・ハビランド・ジプシーメジャーエンジン(130hp)搭載
Fleet 16F:10Aをベースにワーナー・スーパースカラブエンジンを搭載した原型機(1機)
Fleet 16R:キンナーR5-2エンジン(160hp)搭載のカナダ軍モデル。フィンチMk.(27機)
Fleet 16B:キンナーB5エンジン搭載のカナダ軍モデル。フィンチMk.II(404機)
Fleet 16D:16Rと同等の機体だが、ポルトガル海軍向けに製作されたモデル(15機)