フィーゼラー Fi167艦上雷撃機

Fieseler Fi167

ドイツ空軍(海軍)

Fi167A-0
飛行試験中のFi167A−0(生産前機5号機)

 ドイツ帝国海軍が威信をかけて建造を計画したドイツ初の本格的航空母艦 グラーフ・ツェッペリンに 搭載するため開発された艦上雷撃機。1937年にドイツ航空省がフィーゼラー社とアラド社に対して 試作を指示、それぞれが原型機を提出し比較試験の結果フィーゼラー社の機体の方が優秀だとして採用 となった。
 複葉固定脚の旧式然とした機体であったが、航空母艦搭載機に不可欠な低速安定性は同社製の Fi156シュトルヒに劣らぬ優 秀なもの(風向きと風力によってはほぼ垂直に近い離着艦も可能)で、搭載能力も優れた機体だった。 また海上へ不時着水する場合には危険防止のため主脚を投棄できるよう設計されていた。
 1938年には生産前機12機の発注が行われ、第二次大戦開戦頃には完成しているが、開戦後に母 艦となるグラーフ・ツェッペリンの工事が中止となり、当機生産型の製造も優先順位が下げられたため、 それ以上の発注は行われなかった。
 1942年にグラーフ・ツェッペリンの建造が再開されたが、その頃には艦載攻撃機を Ju87Cとすることに計画変更さ れていたため、当機の製造が行われることは無かった。
 艦上雷撃機としての任務が無くなったため、完成していた生産前機の一部はオランダ沿岸部を防備する 海軍部隊に送られ哨戒任務などに従事したが、これらの機体は43年にクロアチア(ルーマニアとした資 料もある)へ売却されている。それ以外の機体はドイツ航空試験機関(Deutsche Versuchsanstalt für Luftfahrt)で STOL性能の実験に使用されている。

機体詳細データ(Fi167A−0)
全長11.40m全高 4.70m
全幅15.50m翼面積45.50m2
自重3,100kg最大重量4,050kg
最高速度325km/h(高度4,000m)上昇限度7,500m
航続距離1,100km巡航速度255km/h
発動機ダイムラーベンツ DB601B 液冷V型12気筒 1,100馬力×1基
乗員数 2名総生産機数14機
武装7.92mm機銃×2、爆弾800〜1,000kgもしくは航空魚雷×1
主要タイプ Fi167V:原型機。原型1号はFi167V1、2号はFi167V2と呼称(2機)
Fi167A-0:生産前機。ほぼ原型に準ずる(12機)