フィーゼラー Fi156シュトルヒ連絡観測機

Fieseler Fi156 "Storch"

ドイツ空軍

Fi156
Fi156A シュトルヒ

 1935年にフィーゼラーとラインホルト・メベス(フィーゼラー社の設計主任)とエーリッヒ・バッ ヘム(同社技術部長)が設計した究極のSTOL(短距離離着陸)機。
 全翼にわたって前縁隙間翼と後縁フラップを取り付け、急角度の着陸に耐えられるよう背の高い主脚を 持っているこの機体は1937年頃からドイツ空軍へ大量に納入され始めた。就役後は前線偵察や救難、 連絡等の作戦に用いられた。
 このシュトルヒ(コウノトリの意)には数多くの逸話が残されており、1943年9月のムッソリーニ 救出作戦や1945年4月のフォン・グライム大将のベルリン包囲網強行突破など、冒険活劇ばりの活躍 を見せている。
 戦闘機に捕捉されてもあまりの低速度のため撃墜は難しい(戦闘機の失速速度以下で飛行するため後方 射撃位置につけるのが困難)と言われており、またSTOL性能の良さから少しのスペースがあれば離着 陸が可能であったというが、あまりに軽量のため風の強い日は地上に駐機していると風にあおられ転覆す ることもあった。
 同機を捕獲した連合軍においても操縦士達の評判はすこぶる良く、英陸軍元帥モントゴメリーなどは専用 機として前線で使用したほどであった。また戦後もフランスとチェコスロバキアで数百機が製造され東欧 やベトナムの空をも飛んだのである。

機体詳細データ(Fi156C−2)
全長 9.90m全高 3.05m
全幅14.25m翼面積26.00m2
自重 930kg最大重量1,330kg
最高速度175km/h(海面高度)上昇限度4,600m
航続距離 470km巡航速度130km/h
発動機アルグス As10C-3 空冷倒立V型8気筒 240馬力×1基
乗員数2〜5名(タイプにより異なる)総生産機数2,871機(ドイツ軍納入数)
武装7.92mm機銃×1(後部旋回:C型以降に搭載)
主要タイプ Fi156V:原型及び生産前機。正式にはFi156V1のように製造(計画)順に番号を付与した
Fi156A-0:実用審査用の生産前機。生産前型Fi156V5と差異は無い
Fi156A-1:最初の生産型。A-0との差異はほとんど無い
Fi156B:可動前縁隙間翼を持つ機体の計画案。計画のみ
Fi156C-0:A-1の後部乗員座席上部を高くし、旋回機銃設置を可能にした機体
Fi156B-1:連絡機/幹部輸送機型
Fi156C-2:複座偵察機型。カメラ1台を搭載する
Fi156C-3:汎用機体。一部機体にはAs10Pエンジンを搭載
Fi156C-3 Trop:C-3のエンジンに防砂フィルターを装着した熱帯仕様型
Fi156C-5:C-3に似るが、As10Pエンジンが標準化された機体。胴体下にカメラ搭載可能
Fi156C-5 Trop:C-5のエンジンに防砂フィルターを装着した熱帯仕様型
Fi156D-0:担架1台の搭載設備とドアを拡大した患者輸送機型原型
Fi156D-1:D-0ベースの生産型。As10Pエンジン搭載
Fi156E-0:ゴム製の無限軌道式降着装置を装備した実用試験機。量産されず
Fi256:5座席の民間型。ドイツ占領下の仏モラーヌ・ソルニエ(Morane-Saulnier)社工場で製造
MS500:戦後、仏モラーヌ・ソルニエ社で製造された機体。MS501、MS502モデルもある
K-65 Cap:戦後、チェコスロバキアのムラズ(Mráz)社で製造された機体