グラマン F4Fワイルドキャット艦上戦闘機

Grumman F4F "Wildcat"

合衆国海軍航空隊 他

F4F-4
F4F−4 (c)NorthropGrumman

 1936年にグラマン社は競争試作機としてXF4F−1の名前で試作機1機を製作したが、結局その時は ブリュースター社のXF2Aに制式採用の座を奪われた。しかし米国海軍はこのグラマン社試作機には可能性 があると見ており、38年10月にさらに開発を継続するという契約を発注した。
 グラマン社は設計の大規模な変更を行ない39年3月に、より強力なエンジンを搭載したXF4F−3が初 飛行した。この機が良好な運用性と運動性を持ち、 ブリュースターF2Aよりも高速を発揮す ることが判り、米海軍は39年8月にF4F−3として制式採用した。
 ちょうどその頃ヨーロッパでは開戦への不安が高まりを見せていたため、新鋭機である当機はフランスやギ リシャからも発注があった(フランス発注分は結局ドイツがフランスへ侵攻したため納入されず、英国海軍へ 回された)。太平洋戦争開戦までに米国海軍と海兵隊の一部部隊に配備されていたが、開戦後は配備数を急速 に増やしていった。日本海軍の 零式艦上戦闘機よりも運動性能は劣っ ていたが、重装甲と重武装を活用した一撃離脱戦法と複数機による攻撃戦術を駆使して太平洋戦争中期まで主 要作戦の中心として活躍している。

機体詳細データ(F4F−4)
全長 8.76m全高 2.81m
全幅11.58m翼面積24.15m2
自重2,610kg最大重量3,600kg
最高速度512km/h(高度5,900m)上昇限度12,000m
航続距離1,200km巡航速度249km/h
発動機プラット&ホイットニー R-1830-86「ツインワスプ」空冷星形複列14気筒 1,200馬力×1基
乗員数 1名総生産機数4,770機
武装12.7mm機銃×6、100lb(45kg)爆弾×2
主要タイプ XF4F-1:社内呼称G-16。複葉機型原型の提案。不採用のため製作されず
XF4F-2:社内呼称G-18。単葉機型原型。1機製作されたのみ
XF4F-3:XR-1830-76エンジン(1,050hp)搭載の原型機。社内呼称G-36。XF4F-2改装
F4F-3:R-1830-76エンジン搭載の最初の生産型。12.7mm機銃×4
F4F-3A:R-1830-90エンジン搭載のF4F-3発展型。F4F-6から改称
F4F-3P:偵察任務用に改装されたF4F-3。ごく少数機が改装された
F4F-3S:フロートを付けた水上機型試作機の非公式呼称。2機のみ改装。性能劣悪のため不採用
F4F-4:R-1830-86エンジン(1,200hp)搭載。主翼折りたたみ機構搭載型
F4F-4A:Martlet Mk.IIIの米国内呼称。R-1830系エンジン搭載
F4F-4B:Martlet Mk.IVの米国内呼称。R-1820系エンジン搭載
F4F-4P:偵察任務用に改装されたF4F-4。ごく少数機が改装された
XF4F-5:R-1820-40エンジン搭載の原型機。社内呼称G-36A
F4F-6:F4F-3Aに当初付けられた呼称
F4F-7:カメラと追加燃料を搭載した偵察機型。社内呼称G-52
XF4F-8:新設計のフラップとカウルを搭載した試作原型機。量産はGM社が担当
FM-1:ジェネラルモーターズ社製作の機体。F4F-3と同等
FM-2:ジェネラルモーターズ社製作の機体。XF4F-8の生産型
XF2M-1:ジェネラルモーターズ社提案の発展開発型。製作されず
Martlet Mk.I:フランスが発注したG-36Aの英国呼称。仏降伏のため英国へ供給
Martlet Mk.II:折りたたみ主翼付きG-36Bの英国呼称。後にWildcat Mk.IIと改称
Martlet Mk.III:固定主翼付き機体(F4F-4A)の英国呼称。後にWildcat Mk.IIIと改称
Martlet Mk.IV:固定主翼付き機体(F4F-4B)の英国呼称。後にWildcat Mk.IVと改称
Martlet Mk.V:英国へ供与されたFM-2の英国呼称。後にWildcat Mk.Vと改称
Wildcat Mk.I:Martlet Mk.Iを改称した後の呼称
Wildcat Mk.VI:英国が発注したFM-2の英国呼称