グロスター E28/39ジェット推進実験機

Gloster E.28/39

英国空軍

E.28/39
E28/39実験機1号機(シリアルW4041)

 世界に先駆けてジェットエンジンの研究を始めたイギリス空軍のフランク・ホイットル(Frank Whittle)は、 航空省や空軍の充分な援助を受けなかったにもかかわらず、1937年にWUと名付けたジェットエンジンを 完成させた。エンジンの完成を受けてようやく航空省はホイットルが設計したジェットエンジンを搭載する 実験機の開発を承認、仕様書E.28/39を発行しグロスター社に製作を指示した(実験機2機の製作契約 は1940年3月に締結された)。
 グロスター社ではホイットル(彼がジェットエンジン開発のため設立した会社パワー・ジェッツ社)と 協力して開発を行った。葉巻型胴体に低翼単葉の主翼と単垂直尾翼、安定板付きの水平尾翼、3車輪式降着 装置を持った機体は1941年4月に完成した。実験機は地上試験の後、同年5月15日に初飛行を成功させた。
 2号機は1号機に搭載されたW1エンジンよりも大型のW2エンジン(製作はローバー社)を搭載して、 1943年3月1日に初飛行した。しかし操縦系の不具合から7月に墜落して喪われている。ちなみにロー バー社はジェットエンジンの開発製造に手間取ったため、設計者であるホイットルの怒りを買い、W2エン ジンの改良型開発はロールスロイス社へ引き継がれることとなった(そこで完成したエンジンが ミーティアへ搭載された「ウェランド」 エンジンである)。
 1号機を使用した飛行実験は続けられたが、実用ジェット戦闘機であるミーティアが完成したことにより、 1944年に実験終了となった。その後1号機の機体はロンドンの科学博物館(Science Museum)に収蔵さ れ、現在も公開されている。

機体詳細データ(E28/39(1号機))
全長 7.72m全高 2.70m
全幅 8.84m翼面積28.00m2
自重1,300kg最大重量1,700kg
最高速度554km/h上昇限度9,755m
航続距離660km巡航速度不明
発動機パワー・ジェッツ W.1 ターボジェットエンジン 推力388kg×1基
乗員数 1名総生産機数 2機
武装武装なし(仕様書には7.7mm機銃×2〜4の指示があったが搭載されなかった)
主要タイプ E.28/39:英航空省発行の仕様書番号。機体は制式名称が無いためこの番号で呼ばれる