フォッカー D.XXI戦闘機

Fokker D.XXI

オランダ空軍 他

D.XXI
フィンランドの博物館に所蔵されるD.XXI戦闘機(雪上降着装置に注目)

 フォッカー社がこれまでの複葉や高翼配置を取りやめ、近代化した低翼単葉機へと移行した記念すべき 機体。1935年にオランダ陸軍の東インド向け戦闘機として原型機発注を受け翌年完成した。
 当初はロールスロイス社製ケストレルエンジンを搭載する予定であったが、方針の変更により途中でブ リストル・マーキュリーエンジンを搭載することになっている。オランダ軍内部では戦闘機よりも爆撃機 の方に感心が集まっていたが、とりあえず1937年に当機36機の生産発注が行われた。またフィンラ ンド政府も当機に興味を示し、オランダで製作された7機の他にライセンス生産により第二次大戦終戦ま でに83機を自国内で生産した。他にデンマークもオランダ製原型機を2機、自国内ライセンス生産10 機を調達しており、内戦中だったスペイン共和国政府も当機のライセンスを取得した(ただし実機完成前 にフランコ派により工場が占拠されたため1機も完成しなかった)。
 1940年5月のドイツ軍によるオランダ侵攻が開始された時点で28機が実戦配備状態にあり、オラ ンダが降伏するまでの5日間を戦った(最も大きい戦果は5月10日にドイツ空挺部隊所属の ユンカースJu52/3m輸送機を37機 撃墜したことであろう)が、ドイツ軍機の数に押されオランダが降伏した時点で飛行可能な機体は8機し か残っていなかった。
 フィンランドでもソビエト軍を相手に良く戦い、少数機は大戦を生き抜き1948年頃まで部隊に留まった。 なおフィンランド機は冬季にはスキー式の降着装置を装備していた。また、フィンランド独自の改修として引 き込み脚装備の機体も1機製造されたが、現行の機体を部隊から引き上げて改修するほどの性能改善が見られ なかったため、引き込み脚は不採用となった。

機体詳細データ(D.XXI-3【オランダ軍】)
全長 8.20m全高 2.95m
全幅11.00m翼面積16.20m2
自重1,450kg最大重量2,050kg
最高速度460km/h(高度4,420m)上昇限度11,000m
航続距離950km巡航速度385km/h
発動機ブリストル「マーキュリー」VIII 空冷星形9気筒 830馬力×1基
乗員数 1名総生産機数150機程度
武装7.92mm機銃×4(機首2、主翼2)
主要タイプ D.XXI-1:マーキュリーVI-Sエンジン(645hp)搭載の原型機(3機)
D.XXI-2:マーキュリーVIIエンジン(830hp)搭載の初期生産型
D.XXI-3:マーキュリーVIIIエンジン搭載の後期生産型
D.XXI-4:P&W社製R-1535-SB4-G「ツインワスプ」エンジン(825hp)搭載のライセンス生産型
以下は各国での導入状況を示す
オランダ:XXI-2およびXXI-3を導入。7.92mm機銃×4(計36機)
フィンランド:XXI-3を7機輸入+33機生産。またXXI-4を50機ライセンス生産。7.62mm機銃×4
デンマーク:XXI-1のうち2機を輸入。またXXI-3を国内で10機生産。主翼部機銃は20mm機関砲×2
スペイン:第二共和政府がライセンスを取得したものの完成せず