ダグラス ドルフィン飛行艇

Douglas Dolphin

合衆国海軍航空隊/沿岸警備隊 他

RD-4
米沿岸警備隊所属のRD−4捜索・救難飛行艇

 ダグラス社は1930年に高翼単葉の双発飛行艇を完成させ、シンバッド[Sinbad](アラビア千夜一夜物語に 登場する船乗りの名。日本ではシンドバッド[Sindbad]の表記の方が有名)の名称で富裕層に対する個人向け水上 機として売りだす予定だった。しかし、折からの世界大恐慌によりその手の需要が見込めなくなったため、1機 だけ製作された機体は翌31年に沿岸警備隊へ売却された。
 純粋な水上機だったシンバッドに降着装置を取り付け水陸両用とした改良型が1931年に完成し、ドルフィ ンの名称が与えられた。最初の生産機はロサンゼルス〜カタリナ島の間(直線距離で三十数キロ程度)を結ぶ短 距離路線の旅客機としてウィルミントン・カタリナ航空社が購入した(この機体がダグラス社初の旅客路線機で もあった)。
 米陸軍は洋上飛行を行う爆撃機隊の航法支援(万が一の場合は救難任務も含む)に利用する予定でドルフィン 9機を発注したが、主力爆撃機であるマーチンB−10など に比べ速度が遅かったため、先導機としての利用は非現実的だとされ輸送任務が割り当てられている。米海軍お よび沿岸警備隊は捜索・救難機として調達を行ったが、うち1機はルーズベルト大統領専用の豪華輸送機へ改造 された(ただしルーズベルト大統領は一度も当機を利用しなかったため、単なる幹部用輸送機として一生を終え ている)。
 なお、軍務に使用された機体のほとんどは、旧式化のため第二次大戦終結までに退役してしまっている。

機体詳細データ(C−21(陸軍航空隊仕様))
全長13.36m全高 4.29m
全幅18.29m翼面積52.21m2
自重2,659kg最大重量3,893kg
最高速度225km/h上昇限度4,330m
航続距離 885km巡航速度192km/h
発動機ライト R-975-3「ホワールウィンド」空冷星形9気筒 350馬力×2基
乗員数乗員2名総生産機数58機
武装武装なし(乗客4〜8名(仕様により異なる)搭乗可能)
主要タイプ Dolphin Model 1:最初の生産型。ライトJ-5Cエンジン(300hp)搭載。民間航空向け(2機)
Dolphin Model 1 Special:Model 1 の胴体を延長した改修機の呼称
Dolphin Model 2:民間向けモデル。P&W R-1340(450hp)やS1D1(550hp)エンジン搭載(9機)
Dolphin Model 3:民間向け豪華モデル(乗員2+乗客4)(1機)
Y1C-21:米陸軍が最初に発注したモデルの名称。後にC-21と改称(9機)
FP-1:米財務省に貸与され対密輸国境哨戒に従事したC-21の臨時名称
OA-3:C-21を改称した名称。主に輸送任務に従事
Y1C-26:米陸軍発注の第二グループ。尾翼拡大、補助垂直安定板廃止。後にC-26と改称(2機)
C-26A:C-26と微妙に異なる第二グループ後期型(8機)
C-26B:P&W R-985エンジン(400hp)搭載の第二グループ最終型(4機)
FP-2:米財務省に貸与されたC-26の臨時呼称。同様にC-26AはFP-2Aと呼称された
OA-4:C-26を改称した名称。同様にC-26AはOA-4A、C-26BはOA-4Bと改称
OA-4C:ステンレス鋼製主翼とP&W R-985エンジンに換装したOA-4、OA-4A、OA-4Bの呼称
C-29:米陸軍発注の最終グループ。P&W R-1340エンジン(550hp)搭載
FP-2B:米財務省に貸与されたC-29の臨時呼称
XRD-1:米海軍が最初に購入したモデル。ライトR-975エンジン搭載(1機)
RD:沿岸警備隊が購入した民間用Model 1 Specialの軍呼称。1機購入
RD-2:R-1340-10エンジン(500hp)搭載の幹部輸送機。陸軍のC-26Aに似る。1機は大統領専用機に改造(4機)
RD-3:RD-2に似るが、客室は貨物機にも使用できるよう簡素化された海軍向け機(6機)
RD-4:P&W R-1340-C1エンジン(420hp)搭載の沿岸警備隊向け(10機)