ドルニエ Do19試作爆撃機

Dornier Do19

ドイツ空軍

Do19V1
民間登録記号をつけたDo19V1(原型1号機)

 ナチス政権による軍再建により1933年にドイツ航空省の指揮者(後に初代空軍参謀長)となった ウェーバー将軍[Walther Wever]は長距離戦略爆撃の支持者だった。そのため航空省では彼の主張に 従って4発重爆撃機の仕様書を発行、ドルニエ社とユンカース社に予備研究を依頼、1935年には 原型機の製作を発注した。
 ドルニエ社では、大部分が金属構造で片持ち中翼単葉の機体を設計した。幅の広い主翼や長方形断面 の胴体を持つ機体で、水平尾翼上に乗るように垂直安定板と方向舵が取り付けられていた。主脚は引き 込み式で、動力として原型1号機にはブラモ322エンジンが搭載された(2号機以降はBMW132 Fエンジンへ変更)。
 原型1号機(V1)は1936年10月に初飛行したが、その数ヶ月前に強力な戦略爆撃論者である ウェーバー将軍が事故死し、後任となったケッセルリンク[Albrecht Kesselring]は高価な重爆撃機よ りも戦闘機や(単発や双発の)戦術爆撃機の開発調達を優先したため、戦略爆撃機の開発計画は中止と なり、完成直前だった原型2号機と制作中だった原型3号機はキャンセルとなり、唯一完成した1号機 も1938年(39年説あり)に輸送任務へまわされることになった。

機体詳細データ(Do19V1(一部計画値))
全長25.45m全高 5.77m
全幅35.00m翼面積162.00m2
自重11,850kg最大重量18,500kg
最高速度315km/h(海面高度)上昇限度5,600m
航続距離1,600km巡航速度250km/h
発動機ブラモ 322H-2 空冷星形9気筒 715馬力×4基
(2号機以降はBMW 132F 空冷星形9気筒 810馬力×4基)
乗員数9〜10名総生産機数3機(完成したのは1機)
武装7.92mm機銃×2(機首、尾部銃座各1)、20mm機関砲×2(背部、腹部銃座各1)、爆弾1,600kg
主要タイプ Do19V1:原型1号機。ブラモ322エンジン搭載。後に輸送機へ改修
Do19V2:原型2号機。BMW132Fエンジン搭載。完成直前だったが飛行せずスクラップとなった
Do19V3:原型3号機。2号機に準ずる。未完成のままスクラップ