デ・ハビランド DH82タイガーモス練習機

de Havilland DH82 "Tiger Moth"

英国空軍 他

TigerMoth
現在も飛行可能に整備されたDH82タイガーモス(個人コレクター所有機)

 1925年に初飛行したデ・ハビランドDH60モス(エンジンにデ・ハビランド社製ジプシーを 搭載していたため俗にジプシーモスとも呼ばれる)練習機が民間用練習機として成功すると、当然のように 英国空軍はDH60の軍用型開発に乗り出すことにした。
 DH60Tモストレーナーと名付けられた軍用型は民間型に比べて構造を強化され、より高い全備重量で運 用できるようになっており、胴体下に訓練用9kg爆弾の搭載が可能となっていた。しかし緊急時脱出の 際に前操縦席周りを取り巻いた主翼支柱が邪魔となるため、1931年に提示された仕様書T15/31に応 じて開発される新練習機ではその点を改修することになった。
 1931年10月に初飛行した新練習機の生産前機には前作と同じDH60Tの番号が付与されたが、愛称 はタイガーモスと変更された(後に機体番号もDH82と改称された)。
 英国空軍の拡張計画に従って運営されていた初等飛行学校などに多数機が導入されたほか、ノルウェー、ス ウェーデン、ポルトガルの航空機メーカーとカナダのデ・ハビランド・カナダ社でもライセンス生産されており、 第二次大戦が始まると英国内で使用されていた民間型も英国空軍の通信用、訓練用に徴用された。
 多数が製造された当機は戦争が終結すると余剰機としてベルギー、フランス、オランダ軍等に譲渡されたほか、 多数機が民間市場に流れ、練習機やスポーツ用機、農業用機などとして使用されており、現在でも飛行可能な 状態に維持されている当時のオリジナル機体が数多く存在する。

機体詳細データ(DH82C)
全長 7.29m全高 2.69m
全幅 8.94m翼面積22.20m2
自重 506kg最大重量 828kg
最高速度172km/h上昇限度4,450m
航続距離443km巡航速度145km/h
発動機デ・ハビランド「ジプシー・メジャー」1C 水冷直列6気筒 145馬力×1基
乗員数 2名総生産機数8,000機以上(8,868機説あり)
武装訓練用9kg爆弾×4〜8搭載可能(通常は非武装)
主要タイプ DH60T:デ・ハビランド・モス改造の原型および生産前機
DH82:初期生産型。ジプシーIIIエンジン(120hp)搭載。英軍名 Tiger Moth
DH82A:改良型。ジプシー・メジャーエンジン(130hp)搭載。英軍名 Tiger Moth II
DH82B:無線操縦装置搭載の無人標的機型。英軍名 Queen Bee
DH82C:デ・ハビランド・カナダ社製作の耐寒型。エンジン出力を強化(145hp)
PT-24:米陸軍発注のDH82Cの呼称。愛称は Moth。完成機はカナダ軍へ供与