D.A.R.10ベカス軽爆撃機

Darzhavna Aeroplanna Rabotilnica 10 "Bekas"

ブルガリア空軍

DAR 10F
D.A.R10F原型機

 東ヨーロッパの一国であるブルガリアが国産した軽爆撃/偵察機。D.A.R.(国立航空機工廠)が 開発し、1941年7月に原型機D.A.R.10Aが初飛行した。木製構造の主翼に鋼管溶接布張りの 胴体という木金混合機で、主翼こそ単葉だったものの主脚は固定脚と完成した時代から見れば時代遅れの 感がある機体であったことは否めないが、小規模ながら航空機の国内開発体制ができていたブルガリアは 東ヨーロッパ諸国で抜きん出た存在だった。
 アルファ・ロメオ社製エンジンを搭載したA型原型機は試験飛行で優秀な成績を収めたが、1942年 夏に墜落し喪われてしまった。そのためブルガリア空軍では一時しのぎとしてカプローニ社のKB−11 を偵察機として採用した。
 その後エンジンをフィアット製に変更した原型2号機D.A.R.10F(機体呼称のA型、F型は搭 載エンジンのメーカー頭文字から来ている)が完成し、1945年3月に初飛行した。出力が強化された エンジンと機体構造強化のおかげで急降下爆撃もこなせるようになった優秀な機体であったが、前年ソビ エトに侵攻されソビエトの衛星国家となっていたことから、それ以上開発は進められず量産化されること は無かった。(一部の資料では少数が生産されユーゴスラビア攻撃などに参加したとの説もある)
 ちなみに「ベカス」とはブルガリア語で「シギ」(チドリ目の鳥類)のことである。

機体詳細データ(D.A.R.10A)
全長 9.54m全高 3.30m
全幅12.20m翼面積22.20m2
自重1,843kg最大重量2,570kg
最高速度410km/h上昇限度7,250m
航続距離1,170km巡航速度不明
発動機アルファ・ロメオ 126RC34 空冷星形9気筒 780馬力×1基
乗員数 2名総生産機数 2機
武装7.92mm機銃×2、20mm機関砲×1(各前方固定)、7.7mm機銃×2(後方旋回)、
500kgまでの爆弾(100kg×5等)
機体詳細データ(D.A.R.10F)
全長 9.83m全高 3.00m
全幅12.65m翼面積22.90m2
自重2,030kg最大重量2,900kg
最高速度454km/h上昇限度8,000m
航続距離1,400km巡航速度285km/h
発動機フィアット A74RC38 空冷星形複列14気筒 960馬力×1基
乗員数 2名総生産機数(上記参照)
武装7.92mm機銃×1、20mm機関砲×2(各前方固定)、7.92mm機銃×2(後方旋回)、
650kgまでの爆弾(250kg×1+100kg×4等)
主要タイプ D.A.R.10A:アルファ・ロメオ社製エンジンを搭載した原型1号機。墜落により喪失
D.A.R.10F:フィアット社製エンジンを搭載した原型2号機。爆弾最大650kg搭載