ドボワチーヌ D.520戦闘機

Dewoitine D.520

フランス空軍

D.520
1944年に再編成されたGCBI/18部隊所属のD.520

 1936年6月に始まったドボワチーヌ社の新型戦闘機設計だったが、当初は目標最高速度を500km/hに設定しており フランス軍に設計案を拒否された。当局は目標を520km/hとしていたからである。そこで、520km/hを目標とした 設計案として出されたのがこの機体D.520である(名称の520はこの目標速度から来ている)。
 しかし当時の仏空軍はモラーヌ・ソルニエMS405の方を好み、D.520計画案はまたしても拒否されてしまった。そこ でドボワチーヌ社は自己負担で原型機2機の制作を決心し、1938年に初飛行させた。原型機の飛行を見たフランス政府は翌 39年に量産型を発注している。
 エンジン生産の遅延などで1940年5月のドイツによる侵攻が始まったとき実戦部隊に配備されていたD.520は36機 ほどであったが、大急ぎで戦線へ移動し、戦闘に参加。初陣では ヘンシェルHs126の3機と ハインケルHe−111を1機撃墜、味方に損害無しとい う戦果を挙げている。量産型は最終的に437機の発注が行われ、うち350機あまりが休戦までに完成した。だが メッサーシュミットBf109が戦場に出てくると、D. 520では太刀打ちできず損害も増えていった。
 フランス降伏後もビシー政府がD.520の生産を継続し北アフリカなどで運用、ドイツがフランス全土を掌握した後はドイ ツ軍も東部戦線で練習戦闘機として使用している。また一部の機体はイタリア・ルーマニア・ブルガリアなどに支給され、連合 国との戦いに投入されている。

機体詳細データ(D.520)
全長 8.60m全高 2.57m
全幅10.20m翼面積15.97m2
自重2,030kg最大重量2,800kg
最高速度534km/h(高度5,500m)上昇限度10,300m
航続距離 900km巡航速度435km/h
発動機イスパノスイザ 12Y45 液冷V型12気筒 935馬力×1基
乗員数 1名総生産機数 929機(775機説有)
武装7.5mm機銃×4(主翼)、20mm機関砲×1(機首同軸)
主要タイプ D.520:原型機を含む生産型機体の呼称。生産型はD.520C.1とも呼称される
D.520Z:代替の冷却装置とメシエ社製降着装置を装備した機体。1機のみ
SE.520Z:HS 12Zエンジン搭載の出力・武装強化型。1機のみ
D.520DC:戦後の複座型改修機呼称
D.521:マーリンIIIエンジン(1,030hp)を搭載する計画案。1機のみ
D.523:HS 12Y-51エンジンを搭載する計画案。1機のみ
D.524:イスパノスイザY12Zエンジン(1,200hp)を搭載する計画案。製作されず
D.550:HS 12Ycrsエンジン搭載の競速機改造型
D.551:D.550をベースにした戦闘機。18機製作されたが飛行しなかった
D.780:D.520改造の水上機型。1機のみ