フォッカー D.XXIII試作戦闘機

Fokker D.XXIII

オランダ空軍

D.XXIII
飛行試験中のD.XXIII原型機

 オランダのフォッカー社が試作した双発戦闘機。各国が双発重戦闘機の開発に熱中していた情勢を 受けて、フォッカー社でも双発戦闘機の開発を行っていたが、マリウス・ビーリング(Marius Beeling) 技師の提案による当機は他国が開発した機体とは一線を画すものであった。
 木金混合構造の双胴式胴体を持ち、中央胴体の前後にエンジンを搭載する特徴的な姿をした原型 機は1939年5月末に初飛行した。後方プロペラの設置位置から主脚は三車輪式となり、また操 縦士の脱出方法として射出座席の搭載も検討されるなど、新たな試みが行われている。
 搭載するエンジンとしては英ロールス・ロイス社や独ダイムラー・ベンツ社の液冷エンジンが想 定されたが、両社とも国内への供給を優先しエンジンの供給を拒否されたため、原型機には出力の 低いヴァルター社製エンジンが搭載された。原型機の飛行試験では出力不足の他に、エンジンの冷 却不足や可変ピッチプロペラの制御などの問題が指摘されたが、まもなくドイツ軍がオランダへ侵 攻してきたため、短い期間で飛行試験は中止となり、原型機も破壊されてしまった(独軍に捕獲さ れ研究材料として使用されたという説もある)。

機体詳細データ(D.XXIII/一部数値は計画値)
全長10.20m全高 3.80m
全幅11.50m翼面積18.50m2
自重2,180kg最大重量2,950kg
最高速度525km/h上昇限度9,000m
航続距離840km巡航速度390km/h
発動機ヴァルター 「サジッタ」I-SR 空冷V型12気筒 530馬力×2基
乗員数1名総生産機数1機
武装7.92mm機銃×2、13.2mm機銃×2
主要タイプ D.XXIII:原型機呼称。独軍侵攻のため開発中止