カーチス・ライト CW−21/22戦闘機

Curtiss-Wright CW-21 / CW-22

オランダ領東インド陸軍航空隊 他

CW-21B
蘭印陸軍航空隊所属のCW−21B”デモン”

 カーチス・ライト社(第二次大戦で使用されたP−40SB2Cなどを製作したカーチス社は カーチス・ライト社の一部門(航空機製造事業部)であり、正確に言えばこれらの機体もカーチス・ライト 社製なのだが、通常は航空機製造事業部製の機体はカーチス社製、本社の別部門が製造した機体をカーチス ・ライト社製と記述されることが多い。カーチス社製機体の社内呼称はモデル番号のみだが、カーチス・ラ イト社製の機体は社内呼称にCWを冠した番号が与えられる)が輸出用に自社負担で開発した小型軽量の単 座戦闘機。複座多用途機CW−19を発展改良した迎撃戦闘機として完成した。
 全金属製の低翼単葉機で後方へ引き込む形の引込脚を装備しており、武装は7.62ミリと12.7ミリ 口径の機銃各1丁をエンジンカウル内に搭載していた。エンジン直径の大きなR−1820を搭載した太い 機首から尾部へ向かうにしたがって絞り込まれるように細くなるシルエットは当機独特のものだった。
 カーチス・ライト社では安価な戦闘機として途上国向けにセールスを開始し、まず中国と30機(35機 とする説もある)の売買契約が結ばれた。完成品3機と現地生産用のキット27機(32機説あり)が中国 へ送られたが、その後部隊配備され実戦に参加したとの情報は残されていない。
 次に当機を購入したのはオランダ領東インドの陸軍航空隊で、彼らは主脚引込方式の変更(後方引込から 内側引込式に変更)と武装強化(カウリング内に7.7ミリ機銃×2、主翼に12.7ミリ機銃×2)の変 更を加えたCW−21Bを24機(18機説あり)発注し、キットの形で同年末までに納入が完了した(そ の後現地で組立完成したのは17機とする説がある)。またCW−21を複座化した練習戦闘機CW−22 もオランダ領東インド陸軍航空隊に納入された。なお複座型CW−22は米海軍にも多数が納入されSNC −1の名称で高等練習機として使用されている。
 太平洋戦争勃発し、1942年初頭に日本軍と交戦状態となった蘭印陸軍航空隊であるが、高等練習機程 度の能力しか無かった当機が、ベテラン揃いで最新鋭の機体を持つ日本軍戦闘機隊に敵うはずもなく、42 年2月3日のスラバヤ上空における大空中戦で大半の機体が喪われてしまった。
 ジャワ島を日本軍が占領した際にバンドン飛行場にて破壊を免れた数機(主にCW−22B)が捕獲され、 これらの機体は交換用部品が無くなるまで日本軍の連絡機として使用されていたという。

機体詳細データ(CW−21B)
全長 8.28m全高 2.72m
全幅10.67m翼面積16.19m2
自重1,534kg最大重量2,041kg
最高速度506km/h(高度5,200m)上昇限度10,455m
航続距離1,014km巡航速度不明
発動機ライト R-1820-G5「サイクロン」空冷星形9気筒 1,000馬力×1基
乗員数 1名総生産機数60機程度(CW−21シリーズ)
武装7.7mm機銃×2(前方固定)、12.7mm機銃×2(前方固定)
主要タイプ CW-21:原型を含む初期型呼称(原型1+完成品3+キット27〜32)
CW-21A:エンジンをアリソンV-1710に変更した機体。計画のみ
CW-21B:蘭印向けに改修された機体。愛称は"Demon"(キット18〜24)
CW-A22:CW-21を複座化した練習戦闘機型原型(1機)
CW-22:蘭印向けの練習戦闘機型初期型(36機)
CW-22B:CW-22を改良したモデル。蘭印のほかトルコや南米諸国へ輸出(100機程度)
CW-22N:非武装高等練習機原型機。米海軍が購入(1機)
SNC-1:CW-22Nに準ずる米海軍高等練習機。愛称は"Falcon"(455機)