ワーコ CG−4/CG−15輸送グライダー

Waco CG-4 / CG-15

合衆国陸軍航空軍 他

CG-4A

CG-15
(上段)CG−4A(USAF Museum所蔵)/(下段)CG−15A

 第二次大戦が勃発し、欧州方面で輸送に必要な航空機を補うための軍用グライダーが多数必要と されるようになると、米陸軍も輸送や強襲に使用できる曳航グライダーの開発を行うこととした。
 戦前は小型複葉機のメーカーとして愛好者の多かったワーコ社に対して、(強襲作戦となると 使い捨てされることが多いので)金属資源を多用せず、大きく開く機首から完全武装の兵士もしく はジープ、4分の1トントラック、75ミリ榴弾砲などを積み降ろしできる機体の開発を指示し、 同社は1942年になってCG−4Aと名付けられた機体を完成させた。同年8月に根拠地となる セデーリア(Sedalia)基地が作られ、11月には当グライダーと曳航用の C−46輸送機C−47輸送機を装備した第 12空挺輸送司令部が結成された。
 半年ほどの訓練の後、43年7月のシシリー攻略を初陣としてノルマンディ上陸やユーゴスラビ アパルチザンへの物資輸送任務などに従事し、またビルマ・インド戦線でも対日戦に使用されてい る。
 CG−4Aは終戦までの3年間に一万二千機を越える数が製造され米陸軍だけでなく米海軍や英 空軍にも使用されたている。また大戦末期になって曳航速度を高めた改良型CG−15Aも一千機 の発注が行われているが、終戦のためCG−15Aの製造は発注数の約半数に終わった。
 ちなみに複葉小型機の製作メーカーであったワーコ社(WACO/Weaver Aircraft Company of Ohioの略) はCG−4Aの量産のためもあって1942年には複葉小型機の生産を終了しており、終戦のため 軍からの発注が無くなった1946年に廃業している(その後にWACOの名を冠した複葉機を製作し たり、旧来のWACO製複葉機ユーザーに対するアフターサービスを展開したのは別会社である)。

機体詳細データ(CG−4A)
全長14.83m全高 4.67m
全幅25.50m翼面積83.61m2
自重1,719kg最大重量3,402kg
最高速度241km/h(最大滑空速度)巡航速度117km/h(標準曳航速度)
発動機なし(他機による曳航飛行)
乗員数 2名総生産機数12,000機以上
武装武装なし(完全武装兵員13名または1,500kgの物資を搭載可能)
機体詳細データ(CG−15A)
全長14.88m全高不明
全幅18.95m翼面積57.88m2
自重1,814kg最大重量3,645kg
最高速度290km/h(最大滑空速度)巡航速度不明
発動機なし(他機による曳航飛行)
乗員数 2名総生産機数473機
武装武装なし(完全武装兵員15名または1,600kgの物資を搭載可能)
主要タイプ XCG-4:原型機(2機)
CG-4A:主要生産型。木金混合構造布張り(12,916機)
XCG-4B:金属を使用しないモデル原型(1機)
PG-1:フランクリン6AC-298-N3エンジン(127hp)×2搭載の動力グライダー原型(1機改修)
XPG-2:レンジャーL-440-1エンジン(175hp)×2搭載の動力グライダー原型(1機改修)
XPG-2A:レンジャーL-400-7エンジン(200hp)×2搭載の動力グライダー原型(2機改修)
PG-2A:XPG-2Aに準ずる試験用機体。運動性が悪く量産化されず
XPG-2B:ジェイコブスR-775-9エンジン(245hp)×2の動力グライダー原型。製作されず
LRW-1:米海軍へ移管されたCG-4Aの海軍呼称
G-2A:1948年に変更されたPG-2Aの呼称
G-4A:1948年に変更されたCG-4Aの呼称
Hadrian Mk.I:英空軍へ供与されたCG-4Aの英軍呼称
Hadrian Mk.II:英空軍へ供与されたCG-4Aの英軍呼称。Mk.Iとは装備が異なる
XCG-15:高速型原型機。CG-4Aを改修(1機)。新造した原型2機はXCG-15Aと呼称
CG-15A:高速型生産型(427機)
PG-3:ジェイコブスR-775-9エンジン×2搭載の動力グライダー原型。XCG-15Aを改修(1機改修)
XLR2W-1:米海軍へ移管されたCG-15Aの海軍呼称
G-3A:1948年に変更されたPG-3の呼称
G-15A:1948年に変更されたCG-15Aの呼称