ブロームウントフォス Bv141偵察機

Blohm und Voss Bv141

ドイツ空軍

Bv141
Bv141V9(Bv141B−01)試作機

 各国が試作した(中には制式採用された)機体には風変わりな形をした物が多々あるが、この ブロームウントフォス社が設計開発したBv141はその中でも特筆すべき「奇抜」なデザイン の機体であろう。
 1937年にドイツ航空省が出した「単発3座偵察機で最大の全方位視野を得られる」ことを条件 とした偵察機開発要求にしたがって設計された機体で、ブロームウントフォス社のフォークト博 士の手による機体設計は、左右非対称という今までの飛行機では考えられないものであった。
 乗員に全方位視野を提供するため胴体から離れた位置に乗員用ゴンドラを配置したその形は 空軍省でも論議を呼んだが、すでに予算の準備も出来ていたためとりあえず試作機を発注、19 38年2月に初飛行に成功した。
 ドイツ航空省は試作機の性能に満足し大規模な生産計画を決定したのだが、ドイツ空軍司令部 はこの機体に全く関心を示さず、無理矢理に航空省を説得し計画を破棄させてしまった。そのた め空軍はBv141より速度も航続距離も劣り、航空省が示した開発要求とは合致しない設計 (双発エンジンで全方位視野も得られていない機体)の フォッケウルフFw189偵察機を 採用する事になったのである。これは当機の性能や設計に問題があったわけではなく、会社が持 つ政治力(空軍上層部への影響力)の差が機種選定に影響を及ぼしたためで、ドイツ航空界では よくあることであった。
 その後B型が試作され、エンジンこそ出力の大きいものが搭載されたが、機体設計は改悪とも 言える状況で、一回り大きくなった機体は機動性に難のあるものとなってしまった。そのため航空 省でも、当機は失敗作であるとの認識が出てしまい、少数が生産されたのみに終わっている。

機体詳細データ(Bv141B)
全長13.95m全高 3.60m
全幅17.46m翼面積53.00m2
自重4,700kg最大重量5,700kg
最高速度438km/h(高度3,500m)上昇限度10,000m
航続距離1,200km巡航速度300km/h程度
発動機BMW 801A 空冷星形複列14気筒 1,560馬力×1基
乗員数 3名総生産機数28機
武装7.92mm機銃×4(前方固定2、後方旋回2)、50kg爆弾×4
主要タイプ Bv141V:原型機の呼称。V1〜V3の3機製作。BMW「ブラモ」323またはBMW132エンジン(1,000hp)搭載
Bv141A-0:翼面積を増加させた生産前機。BMW「ブラモ」323エンジン(1,000hp)搭載(5機)
Bv141B-0:再設計を施した生産前機。テーパー翼、非対称水平尾翼、BMW801エンジン(1,560hp)(10機)
Bv141B-1:B-0に準ずる量産型。10機しか生産されず