ヴァルティ BT−13ヴァリアント練習機

Vultee BT-13 "Valiant"

合衆国陸軍航空隊 他

SNV
NACAでテストされる海軍向けSNV(Photo NASA-LaRC所蔵)

 第二次大戦直前に採用された中間練習機。操縦の基礎を学ぶ ライアン練習機と、高度な操縦訓練を 行うテキサン練習機の中間を埋める機 体で、訓練生は無線によって地上との意思疎通を行う単独飛行での離着陸訓練などに使用した。
 1938年に陸軍が出した上級練習機の要求書にしたがってヴァルティ社が設計した全金属製(操舵面 のみ布張り)単葉の原型機は優秀だったが結局採用されず、ヴァルティ社では当機を輸出用とするために 出力の小さなP&W社製エンジンに換装し、主脚も固定脚とした改設計を行った。ところがこの改設計さ れた機体が陸軍の目にとまり、1939年8月に300機の発注を受けることとなった。
 部隊配備は1940年6月からであったが、折しも第二次大戦開戦となったため当機の生産受注は増え る一方となり、機体生産にエンジンの生産が追いつかない状況となってしまった。そこで苦肉の策として エンジンをライト社製のものに変更した機体も並行して生産されるようになった。また海軍航空隊も同様 に大量の発注を行っている。
 第二次大戦中の操縦士大量養成に貢献した当機だったが、終戦による軍備縮小に伴い余剰機として民間 へ大量に払い下げられている(ちなみに映画 「トラ、トラ、トラ!」に 登場した日本軍機(零戦九九艦爆九七艦攻)は当機やテキサン練習機を改造したものであった)。

機体詳細データ(BT−13A)
全長 8.79m全高 3.51m
全幅12.80m翼面積22.20m2
自重1,531kg最大重量2,039kg
最高速度290km/h上昇限度6,599m
航続距離1,167km巡航速度不明
発動機プラット&ホイットニー R-985-AN-1「ワスプジュニア」空冷星形9気筒 450馬力×1基
乗員数 2名総生産機数11,537機
武装武装なし
主要タイプ V-51:高等練習機型原型の社内モデル名。P&W R-1340-S3H1-Gエンジン(600hp)搭載
VF-54:出力を抑えた輸出用機原型のモデル名
VF-54A:VF-54にP&W R-985-T3Bエンジン(450hp)を搭載した原型機。BT-13として採用
BT-13:米陸軍向けの初期生産型。VF-54Aに準ずる機体(300機)
BT-13A:後期生産型。R-985-AN-1エンジン搭載(6,407機)
BT-13B:BT-13Aと同様の機体だが内部電源の電圧が異なる機体(1,125機)
BT-15:エンジンをライトR-975-11(450hp)とした機体。BT-13Aに準ずる(1,693機)
SNV-1:米海軍向けの機体。BT-13Aに準ずる(1,350機)
SNV-2:米海軍向けの機体。BT-13Bに準ずる(650機)