ブレゲー 521ビゼルト飛行艇

Breguet 521 Bizerte

フランス海軍 他

Bre.521
フランス海軍航空隊の521ビゼルト(後期型)

 フランスのブレゲー社は1931年に飛行艇大手である英国ショート社からカルカッタ複葉飛行艇の製 造権を取得しており、翌年フランス海軍航空隊が長距離飛行艇の要求仕様書を発行したとき、このカルカッ タ飛行艇を基礎とした機体の提案をおこなった。
 1933年9月に初飛行した機体は全金属構造の3発複葉機で、下翼に安定フロートが取り付けられた ものであった。水平尾翼を支柱によって支えるなど旧式なところもあったが、最大3,000kmもの航続 距離は非常に魅力的であったため海軍航空隊に採用されることとなり、生産型の納入は1935年から開 始された。後期生産型では機首部の開放銃座を廃止し、操縦室の左右後方に張り出した水滴型銃座を追加 するなど洗練を加えた機体に仕上がっている。
 第二次大戦開戦時には4個飛行中隊(開戦直後に5個へ増加)が編成されていたが、フランス降伏によ り2個飛行中隊を残して解隊され、生き残った機体(17機との説あり)も1942年にドイツ空軍が接 収、フランス沿岸部の捜索救難任務に使用するようになっている。またフランス南部へ連合軍が上陸した 1944年にはドイツ軍が放棄した少数機(1機との説もある)をフランス軍が取り戻し、交換用部品が 無くなるまで連絡任務などに使用して、最後の機体は1946年にスクラップとなった。

機体詳細データ(Bre.521ビゼルト(武装は後期型))
全長20.50m全高 7.45m
全幅35.15m翼面積162.60m2
自重9,470kg最大重量16,600kg
最高速度245km/h(高度1,000m)上昇限度6,000m
航続距離3,000km巡航速度200km/h程度
発動機グノームローヌ14Kirsまたは14N-11空冷星形14気筒 900馬力×3基
乗員数 8名総生産機数36機
武装7.5mm機銃×5(胴体脇4、尾部1/原型機のみ7.7mm機銃×6)、爆弾最大300kg
主要タイプ Bre.521原型:グノームローヌ14Kdrsエンジン(845hp)搭載(3機)
Bre.521:生産型。後期型は開放銃座の廃止、水滴風防銃座の追加等を施した(30機)
Bre.522:イスパノスイザ14AAエンジン(1,000hp)搭載の試験機(1機)
Bre.530:民間輸送型。乗客20名。イスパノスイザ12Ybrエンジン(750hp)搭載。愛称はSaigon(2機)