フィアット BR20チコーニャ爆撃機

Fiat BR20 "Cicogna"

イタリア王立空軍 他

BR20
スペイン内戦でイタリア支援軍が使用したBR20

 フィアットBR20チコーニャ(コウノトリの意)の原型機(MM274)は、1936年2月10日に 初飛行に成功した。
 胴体部分はジュラルミンと布張りの混合、主脚は車輪の一部が露出する半引き込み式であるなど単葉機へ の過渡期らしい設計ではあったが、ムッソリーニのファシスト政権は最新鋭の中型爆撃機として世界航空界 へ向けて大喧伝しており、スペイン内戦でファシスト軍に味方したイタリア支援軍に所属する当機の活躍は 宣伝を後押しするのに役だった。
 第二次大戦勃発時には当機の改良型であるBR20Mが就役し始めており、この新型機はベルギーにある 基地から英国本土攻撃に参加した。
 日華事変が始まり中国奥地を爆撃できる機体が必要であった日本陸軍では、 九七式重爆撃機が実戦配備されるまでの つなぎとしてこのBR20を85機輸入、イ式重爆と 名付けて使用していたが、日本陸軍航空隊の当機に対する評価は低く、九七式重爆撃機が使用できるように なり、機体と同時に輸入した交換用の部品が不足するとすぐに使用されなくなってしまっている。

機体詳細データ(BR20)
全長16.10m全高 4.30m
全幅21.56m翼面積74.00m2
自重6,400kg最大重量9,900kg
最高速度432km/h(高度5,000m)上昇限度9,000m
航続距離3,000km巡航速度328km/h
発動機フィアット A80RC41 空冷星形複列14気筒 1,000馬力×2基
乗員数 6名総生産機数下記参照
武装7.7mm機銃×2、12.7mm機銃×1、爆弾最大1,600kg
機体詳細データ(BR20M)
全長16.68m全高 4.75m
全幅21.56m翼面積74.00m2
自重6,500kg最大重量10,100kg
最高速度440km/h上昇限度8,000m
航続距離2,750km巡航速度340km/h
発動機フィアット A80RC41 空冷星形複列14気筒 1,000馬力×2基
乗員数 5名総生産機数 512機
武装12.7mm機銃×3、爆弾最大1,600kg
主要タイプ MM274:原型機の呼称
BR.20:最初の爆撃機生産型の呼称
BR.20A:民間向け長距離機。機首を丸く成形、胴体下部の張り出しを撤去
BR.20L:長距離無着陸飛行挑戦のための機体。流線型に成形された機首、燃料追加
BR.20M:洗練された機体を持つBR20の改良型。第二次大戦での主力機(264機)
BR.20C:機首に37mm機関砲を搭載した攻撃機型試作機
BR.20bis:丸めたガラス張り機首、とがった垂直尾翼を持つ再設計型。最終生産モデル
イ式重爆:日本陸軍が輸入したBR20の日本陸軍呼称