コモンウェルズ ブーメラン戦闘機

Commonwealth-Aircraft CA-12/13/14/19 "Boomerang"

オーストラリア空軍

Boomerang
オーストラリア空軍の記章を付けたCA−12ブーメラン

 太平洋戦争が勃発し日本軍が太平洋戦域において攻勢を始めた時、マレー半島に駐在していたオーストラ リア空軍が保有する戦闘機は 時代遅れのブリュースター・バッファロー しか無い状態であった。しかし宗主国であるイギリスに頼ろうとしても、イギリスは独軍との交戦中で戦闘 機を輸出できる状況になかったため、オーストラリアは独自に空軍戦力の強化を図る必要に迫られた。
 そこでテキサン練習機ベースの多用途機 ワイラウェイのライセンス生産をおこな っていたコモンウェルズ社にて、ワイラウェイをベースにした改良型の開発を実施することにした。この際コ モンウェルズ社が保有していたライセンスには設計改修を許容する条項が含まれていたのも幸いした。
 1942年2月に原型を含む105機の発注がおこなわれ、同社の設計主任ローレンス・ワケットにより、 胴体を新設計し主翼・降着装置・尾翼はそのままで組み合わせた機体CA−12が同年5月に完成した。ワ イラウェイの部品を多数流用できたので、完成まで3ヶ月という驚異的な開発スピードであった。
 ブーメラン(原住民アボリジニが使用する手投げ武器)と名付けられたこの機体は同年10月から部隊配 備が始まり、翌年5月には日本軍の爆撃機と初会敵した。ただし日本軍機と接近遭遇しただけで空戦には至 っておらず、結局終戦まで敵機と交戦する機会には恵まれなかった(基本的に当機は地上攻撃などの地上軍 支援に投入されたため)。
 バッファローに比べると上昇力に優れ運動性が高く頑丈な当機は操縦士達に愛され、戦争が終わるころ には大半のワイラウェイと当機が交替を完了していた。

機体詳細データ(CA−13ブーメランMk.II)
全長 7.77m全高 2.92m
全幅10.97m翼面積20.90m2
自重2,437kg最大重量3,742kg
最高速度491km/h(高度4,725m)上昇限度10,365m
航続距離2,575km巡航速度不明
発動機プラット&ホイットニー R1830-S3C4-G「ツインワスプ」空冷星形複列14気筒 1,200馬力×1基
乗員数 1名総生産機数250機以上
武装7.7mm機銃×4、20mm機関砲×2
主要タイプ CA-12 Boomerang Mk.IA:原型および初期生産型
CA-13 Boomerang Mk.II:小改良を施した機体。第二期生産型
CA-14:GE製のターボ過給器を搭載した性能改善試験機
CA-14A:CA-14の尾翼形状を改修した後の呼称
CA-19 Boomerang Mk.II:最終生産型。更に小変更が施されている