ブリストル ブレニウム戦闘機

Bristol Blenheim

英国空軍 他

ブレニウム
空軍へ引き渡し直前のブレニウムMkIV

 通常の軍用機と異なりブレニウムの誕生のきっかけは一風変わったもので、1934年に英国の新聞デイリーメイル紙の社主であるロザミア卿[Harold Sidney Harmsworth, 1st Viscount Rothermere]がブリストル社に発注した高速旅客機が原型となっている。
 量産型の旅客機を軍用機に転用した例はいくつもあるが、この機体はロザミア卿の注文で完成した特注の機体が当時の英国主力戦闘機であるグラディエーターより80km/hも優速であることに英国空軍が強い興味を抱き、ロザミア卿はその熱意に押され原型機を英国航空評議会へ寄贈した。この原型機を元に開発されたのがブレニウムである。
 軽爆撃機として採用されたブレニウムであったが、各国が双発重戦闘機の開発にしのぎを削っていた情勢もあり、夜間戦闘機として改良を受けた機体も第二次世界大戦で使用された。またカナダ空軍では搭載燃料を増加させ、航法士/偵察員用座席を追加するため機首部を延長した機体を採用、この機体はボリングブルクと名付けられた。またボリングブルク同様に機首部を延長したブレニウムMkIVでは、操縦席からの視界が悪化するとの意見から、機長席前方の機首部上面をくぼませる工夫がされている。
 しかし爆撃機としても戦闘機としても中途半端な性能だった当機はドイツ軍戦闘機や対空砲によって甚大な損害を被り、開戦後すぐに第一線から退き後継機のボーファイターにその任務を譲ったのである。

機体詳細データ(ブレニウムMkIV)
全長12.98m全高 3.00m
全幅17.17m翼面積43.57m2
自重4,441kg最大重量6,532kg
最高速度428km/h(高度3,595m)上昇限度8,310m
航続距離2,350km巡航速度319km/h
発動機ブリストル「マーキュリー」XV 空冷星形9気筒 905馬力×2基
乗員数 3名総生産機数6,185機
武装7.7mm機銃×5、爆弾最大600kg
主要タイプ Type142:民間用旅客機原型。マーキュリーVIS2エンジン(650hp)搭載
Type143:自社費用負担で製作された拡大型旅客機原型。アクイラエンジン(500hp)搭載
Type142M:Type142を元にした軍用型原型の呼称。仕様書28/35に基づき設計
Blenheim Mk.I:初期生産型軽爆撃機モデル。マーキュリーVIIIエンジン(840hp)搭載
Blenheim Mk.IF:MkIを戦闘機(夜間戦闘機)に改修した機体の呼称
Blenheim PR.MkI:MkIを高速偵察機(非武装)に改修した機体の呼称
Blemheim Mk.II:長距離用主翼タンクと外部搭載爆弾を取り付けた機体。MkI改修
Blenheim Mk.IV:マーキュリーXVエンジン(920hp)搭載型。機首部を延長
Blenheim Mk.IVF:MkIVを戦闘機(夜間戦闘機)に改修した機体の呼称
Blenheim Mk.V:マーキュリーXV、XXV、XXXエンジンを搭載した機体
Bolingbroke Mk.I:社内計画機。Blenheim MkI改装の機首延長型原型
Bolingbroke Mk.IV:マーキュリーXVエンジン搭載。フェアチャイルド社製作
Bolingbroke Mk.IV-W:P&W社製R-1830エンジン(1,200hp)搭載型
Bolingbroke Mk.IV-T:マーキュリーXXエンジン搭載。機上作業練習機として使用