ベレズニアク・イサエフ BI試作戦闘機

Berezniak-Isaev BI
Березняк-Исаев БИ


ソビエト赤軍

BI-1
後方から見たBI−1(原型1号機)

 1940年頃ソビエトでは次世代航空機の推進装置としてジェットエンジンやラム・ジェット、ロケットなど を想定した開発計画の策定が行われた。同時期に成層圏での迎撃任務に使用できる戦闘機の開発も行われること になり、双方の計画からロケットエンジンを搭載した単座迎撃戦闘機が開発されることになった。
 主任技師であるV・F・ボルコヴィチノフ(В.Ф.Болховитинов)を中心とした 開発陣は1941年6月に設計案を提出し、当局からのゴーサインを得た。木製の機体に化学反応によるロケッ ト推進エンジン(このロケットエンジンはソビエト宇宙機開発の第一人者S・P・コロレフ(С. П. Королев)が 1938年強制収容所送りとなる前に理論を完成させたものだった)を搭載する原型機はベレズニアク・イサエフ設計局にて製造が行われることとな り、原型1号機は1942年5月15日に初飛行した。当機を世界初のロケット戦闘機と記述している資料も見 受けられるがドイツのMe163の試作機 Me163Aは1941年10月に初飛行しているため、これは誤りである。
 初飛行はたった3分ほどだったが、翌年初頭に行われた原型2号機の飛行試験では6分半の飛行時間と時速6 75キロを記録している。しかし、これ以上の飛行時間延長が望めなかったため、6号機からは翼端に装備する ラム・ジェットエンジンを搭載して試験されたが、これも期待はずれに終わり、結局7機が製作された時点で開 発計画は中止となってしまった。
 なお原型機の飛行試験と並行して生産前機50機の製造命令が出されていたため、計画中止となった時点で3 〜40機ほどの未完成な機体が残されることになった。これらの機体の大半はスクラップとなったが、一部はロ ケット推進の実験などに使用されたらしい。

機体詳細データ(BI:一部データは計画値)
全長 6.40m全高 2.06m
全幅 6.48m翼面積 7.00m2
自重 790kg最大重量1,683kg
最高速度800〜1,020km/h(計画)上昇限度10,000m
航続時間十数分巡航速度不明
発動機ZhRD D-1A薬液ロケット 推力1,100kg×1基
乗員数1名総生産機数7機
武装20mm機関砲×2
主要タイプ BI:当機の計画呼称。完成した機体には生産順にBI-1、BI-2のような番号がふられた