メッサーシュミット Bf110戦闘機

Messerschmitt Bf110

ドイツ空軍

Bf110
第2駆逐航空団所属のBf110C

 ドイツ航空省が1935年に出した「戦略重戦闘機開発仕様書」には、ドイツ領空へ侵入する敵爆撃機の 追跡・破壊のほか、撤退する敵機を追撃できる能力をも求めていた。バイエルン航空機会社(後のメッサー シュミット社)はそれを受け、高速を発揮し航続距離の長い双発大型機体の戦闘機開発に着手した。
 1936年5月に完成した試作機をテストした空軍では当機の能力を疑問視する声もあったが、空軍司令 官ヘルマン・ゲーリング元帥はこの声を無視して生産開始を命令、1939年初めには部隊配備が始まった。
 ドイツではこのような機体を駆逐機(Zerstörer(ツェアシュテーラー)/敵爆撃機を「駆逐」する 機体。艦艇の駆逐艦を指すのと同じ単語である)と呼称しているが、実際には航続距離の長さから爆撃機護 衛や敵地上空の制空任務など駆逐機の名前とはかけ離れた任務に就くことが多く、イギリス本土爆撃では軽 快な英戦闘機に逆に追いかけ回され、『護衛戦闘機なのに、敵機から身を守るため Bf109などによる護衛が必要』と まで言われ良いところ無しの状態であったため後世における当機の戦闘機としての評価は低い。
 しかし、実際に各国が実用化した双発重戦(英国の 「ボーファイター」、日本の 「屠龍」など)でも、単発戦闘機を 凌ぐ性能を持った機体は出現しなかったし、大戦末期に行われたレーダーを搭載する夜間戦闘機としての連 合軍爆撃機迎撃戦で挙げた戦果などを見ると戦後与えられた当機への低い評価は見当違いであり、効率の高 い汎用双発戦闘機として優れた機体であったと言えるだろう。

機体詳細データ(Bf110G−2/R3【夜間戦闘機タイプ】)
全長13.05m全高 4.18m
全幅16.25m翼面積39.40m2
自重5,090kg最大重量9,900kg
最高速度550km/h(高度7,000m)上昇限度8,000m
航続距離2,100km(増槽使用)巡航速度約500km/h
発動機ダイムラーベンツ DB601B-1 液冷倒立V型12気筒 1,475馬力×2基
乗員数 3名総生産機数6,170機
武装37mm機関砲×2、20mm機関砲×2、7.92mm機銃(後方旋回)×2
主要タイプ Bf110V:原型機。正式にはBf110V1のように製造(計画)順に番号が付与された
Bf110A-0:生産前機。DB600A(910hp)またはユモ210Aaエンジン(680hp)搭載
Bf110B-1:再設計された生産型。ユモ210Gaエンジン搭載。20mm×2、7.92mm×5
Bf110B-2:20mm機関砲を撤去し、換わりにカメラを搭載した偵察機型
Bf110B-3:武装を全て撤去した転換練習機型
Bf110C-1:DB601A-1エンジン(1,100hp)搭載。20mm機関砲×2、7.92mm機銃×4
Bf110C-2:改良型短波無線機を搭載したモデル
Bf110C-3:20mm機関砲を改良型MG FF/Mに変更したモデル
Bf110C-4:操縦席に防弾装甲を施したモデル
Bf110C-4/B:DB601Nエンジン(1,200hp)搭載。胴体下に250kg爆弾×2を搭載可能
Bf110C-5:武装を減じカメラを搭載した偵察機型。DB601N搭載のC-5/N型もある
Bf110C-6:20mm機関砲×2を30mm機関砲×1に変更したモデル
Bf110C-7:C-4/B型の主脚強化。爆弾搭載量を500kg×2に増大させた機体
Bf110D-1:C型に似た機体だが、1,200リットル外部タンクを作りつけた長距離型
Bf110D-1/R2:C型に似た機体だが、翼下960リットル落下タンクを装備したモデル
Bf110D-2:500kg爆弾×2、300リットル落下タンク×2の長距離戦闘爆撃機型
Bf110D-3:落下タンク×2、投下用ボートを搭載した長距離艦船哨戒型
Bf110E-1:C-7型に翼下に50kg爆弾×4を追加した戦闘爆撃機型。DB601AorDB601N
Bf110E-1/U1:赤外線照準装置を搭載した夜間戦闘機型
Bf110E-1/U2:乗員を追加した夜間戦闘機型
Bf110E-2:E-1型の装備品を更新した機体。偵察型となるE-3型もある
Bf110F-1:DB601Fエンジン(1,300hp)搭載。57mm厚の防弾風防ガラス採用。装甲強化
Bf110F-2:翼下の50kg爆弾架を廃止した重戦闘機型。偵察型となるF-3型もある
Bf110F-4:最終的な夜間戦闘機型。20mm機関砲に換えて30mm機関砲搭載の場合も
Bf110F-4/U1:30mm斜銃(シュレーゲムジーク)×2を追加搭載した機体
Bf110F-4a:FuG202レーダーを装備した夜間戦闘機型。20mm機関砲改良
Bf110G-1:DB605B(1,475hp)搭載。20mm機関砲×2、7.92mm機銃×4の昼間戦闘機
Bf110G-2:後部旋回機銃(7.92mm×2)追加。爆弾架追加の近接支援型
Bf110G-2/R1:G-2型の20mm機関砲×2を37mm機関砲×1に変更した爆撃機駆逐機
Bf110G-2/R2:G-2/R1型と同様の機体だが、GM-1増力装置を搭載したモデル
Bf110G-2/R3:G-2型の7.92mm機銃×4を37mm機関砲×2に変更した重戦闘機型
Bf110G-3:G型から武装を減じた偵察機型
Bf110G-4:F-4a型同様のレーダー搭載夜間戦闘機型。武装はG-1型に準ずる
Bf110G-4a:G-4型に似るがFuG212レーダーを搭載したモデル
Bf110G-4a/R1:G-4a型にG-2/R1型同様の武装変更を施したモデル
Bf110G-4a/R2:G-4a型にGM-1増力装置を搭載したモデル
Bf110G-4a/R3:G-4a型にG-2/R3型同様の武装変更を施したモデル
Bf110G-4b:G-4a型にFuG220レーダーを追加装備した機体
Bf110G-4c:G-4a型にFuG220bレーダーを追加装備した機体
Bf110H:G型と並行して試作された機体。DB605Eエンジン搭載