マーチン B−26マローダー爆撃機

Martin B-26 "Marauder"

合衆国陸軍航空隊 他

B-26B
B−26B

 1939年の米陸軍による中型高速爆撃機仕様書により設計された機体で、同年9月に他社の提案より 優れているとして原型機の製造要求も無しに量産発注された。これは非常に異例なことで日増しにきな臭 くなるヨーロッパや太平洋の情勢を考えてのことであったのだろう。
 1940年11月に初飛行したこの機体はB−26マローダー(略奪者の意)と命名され部隊へ配備さ れた。しかし実戦部隊からの改善要求をすべて盛り込んだ改良型であるB−26Aは重量が増大し、低速 での運用性が悪化して事故が増加したため、一時は生産中止の手前にまでなってしまった。だが戦時中で あるという状況から不具合を改善して生産は続行された。
 その判断は間違っておらず、低速性能を改善されたB−26Bは操縦法の改正も伴って事故も激減、結 果的にヨーロッパ戦線で活躍した米第9空軍において運用機中最低の損耗率を記録するに至ったのである。 同時期に採用されたB−25が中高度 爆撃任務に投入されたのとは異なり、当機は低空爆撃任務に従事することが多かった。
 米国陸軍の他にも武器供与法のもとに英国空軍へ522機のマローダーが送られ、ヨーロッパやアフリ カ戦線で活躍しているが、各国とも第二次大戦終結により全機退役させている。

機体詳細データ(B−26G)
全長17.09m全高 6.20m
全幅21.64m翼面積61.13m2
自重11,500kg最大重量17,300kg
最高速度455km/h(高度1,500m)上昇限度6,000m
航続距離1,800km巡航速度300km/h台後半
発動機プラット&ホイットニー R-2800-43「ダブルワスプ」空冷星形複列18気筒 2,000馬力×2基
乗員数 7名総生産機数5,288機
武装12.7mm機銃×12、爆弾最大1,800kg
主要タイプ Model 179:当機提案の社内モデル呼称。原型・生産前機は製作されず
B-26:最初の生産型。R-2800-5エンジン(1,850hp)搭載。乗員5名
B-26A:R-2800-9エンジン(1,850hp)搭載。燃料容量増大、武装強化モデル
B-26B:R-2800-41エンジン(2,000hp)搭載。武装変更、装甲強化モデル
AT-23A:B-26B改修の標的曳航・射撃練習機。後にTB-26Bと改称
CB-26B:B-26Bを輸送用に改修した機体の呼称
B-26C:R-2800-43エンジン(2,000hp)搭載。他の装備はB-26Bと同様
AT-23B:B-26C改修の練習機。AT-23A同様の改修。後にTB-26Cと改称
XB-26D:主翼・尾翼前縁に熱空気防氷装置を装備した試験評価機
XB-26E:軽量型試作機。背面銃座位置を前方に移動
B-26F:離陸性能改善のため主翼取り付け角を改善したモデル
B-26G:B-26F同様の機体だが、細部に変更が施された機体
TB-26G:乗員訓練・標的曳航用の改修が加えられたB-26G最終生産型
XB-26HB-47爆撃機用降着装置の試験用に改装されたB-26Gの呼称
JM-1:米海軍で使用されたAT-23Bの海軍側呼称
JM-1P:写真偵察用に改修されたJM-1の呼称
JM-2:米海軍で使用されたTB-26Gの海軍側呼称
Marauder Mk.I:英国に供与されたB-26Aの英空軍呼称
Marauder Mk.IA:英国に供与されたB-26Bの英空軍呼称
Marauder Mk.II:英国に供与されたB-26Cの英空軍呼称
Marauder Mk.III:英国に供与されたB-26FおよびB-26Gの英空軍呼称