ブラックバーン B−20試作飛行艇

Blackburn B-20

英国空軍

B-20
着水形態のB−20原型機

 旧式化していた沿岸哨戒飛行艇を更新するため、英航空省が示した仕様書R.1/36に基づいて ブラックバーン社が開発した機体。同仕様書はブラックバーン社とサンダース・ロー社(サロ)の競 争試作であったが、採用されたのはサロのラーウィック飛行艇だった。
 ブラックバーン社が提案した当機は、フロート式飛行艇と艇体型飛行艇の長所を両方とりこんだ機 体として開発された独創的なもので、着水時にはプロペラ位置を水面から遠くに離しておけるフロー ト式として、また飛行中は空気抵抗の少ない艇体式として飛行できるよう変形するものであった。
 着水用の主フロートは胴体下に設置され、着水時には下げるが飛行時には胴体に密着するよう上げる ことができ、また両翼にある補助フロートも飛行中は翼端側へ折り畳まれ主翼の一部を形成するとい う合理的な設計がなされていた。ただし原型機には悪名高いRR社製バルチャーエンジンが搭載され たことから、この意欲的な機体の運命が決定づけられらた。1機だけ製作された原型機は補助翼の不 備のため初飛行から1ヶ月もたたない1940年4月7日に海面へ衝突し喪われてしまった。
 原型機ではフロートの変形動作は成功しており、補助翼の改修と快調なエンジンさえ得られれば、 英軍は失敗作ラーウィックに代わる機体を手に入れることも可能であったが、第二次大戦勃発により ブラックバーン社は既存機の生産に注力せざるを得ない状況となったため、当機の改良は中止と なってしまった。

機体詳細データ(B−20:性能は計画値)
全長21.22m全高 7.67m(主フロート下げ時)
全幅25.04m(翼端フロート上げ時)翼面積99.03m2
自重不明最大重量15,876kg
最高速度492km/h(高度4,570m)上昇限度不明
航続距離2,414km巡航速度322km/h
発動機ロールスロイス「バルチャー」 液冷X型24気筒 1,720馬力×2基
乗員数 6名総生産機数 1機
武装7.7mm機銃×8(機首、背部銃座各2、尾部銃座4)、500lb(227kg)爆弾×4
主要タイプ B-20:原型機の社内呼称