ボーイング B−17フライングフォートレス爆撃機

Boeing B-17 "Flying Fortress"

合衆国陸軍航空隊

B-17F
ヨーロッパ戦線でのB−17F

 1934年ボーイング社は陸軍の多発爆撃機競争試作(マーチンB−10の 後継機選定)に対して、4発エンジンのモデル299を製作した。当時、多発と言えば双発エンジンを指したが、 要求以上の性能を目指し4発エンジンとした点でボーイング社技術陣は先見の明があったと言える。
 当初は、敵の侵攻艦隊から本土を防衛するのが目的の多座迎撃爆撃機であったため「フライング・フォートレス」 (空の要塞)と命名され36年に正式採用された。しかし第二次世界大戦開戦後は防衛任務ではなく長距離侵 攻任務の方に多用された。主にヨーロッパ戦線での活躍はめざましく、大戦全期間を通じてベルリン爆撃など に使用された。(当機による爆撃行はいくつもの映画の題材として使用されているため、機会があったらビデ オ等で鑑賞してみると良い)
 また太平洋戦線でも一部使用され、主に南方戦線で日本軍とも戦った。多数が戦線に投入されたため敵国で ある日本やドイツに捕獲された機体も存在するが、あまりに性能が良かったため占領した地上基地で本機を捕 獲したドイツ軍は自軍のマークを付けて数々の長距離任務に使用したほどであった。

機体詳細データ(B−17G)
全長22.66m全高 5.82m
全幅31.62m翼面積131.92m2
自重16,391kg最大重量29,710kg
最高速度462km/h(高度7,620m)上昇限度10,850m
航続距離3,219km巡航速度293km/h
発動機ライト R-1820-97「サイクロン」空冷星形9気筒 1,200馬力×4基
乗員数9〜10名総生産機数12,731機
武装12.7mm機銃×13、爆弾最大7,983kg
主要タイプ YB-17:原型および生産前機の呼称。後にY1B-17と改称(13機+原型1機)
YB-17A:生産前14号機。エンジンにターボチャージャーを追加装備。後にB-17Aと改称(1機)
B-17B:最初の生産型。GR-1820-51エンジン(1,000hp)搭載。12.7mm機銃×5(39機)
B-17C:R-1820-65エンジン(1,200hp)搭載。12.7mm機銃×7(38機)
Fortress I:英国空軍に供給されたB-17Cの呼称
B-17D:B-17Cと差異はないが、防弾装備が強化された(42機)
B-17E:最初の本格量産型。垂直尾翼前に背びれ追加。武装強化(512機)
Fortress IIA:英国空軍に供給されたB-17Eの呼称
B-17F:B-17Eに近い機体。武装や装備品が異なる(3,405機)
Fortress II:英国空軍に供給されたB-17Fの呼称
B-17G:最多生産型かつ最終生産型。武装強化。後期生産分はR-1820-97エンジン装備(8,680機)
B-17H:G型改修の海上救難機型。捜索レーダー、ボート投下装置を装備。後にSB-17Gと改称
YB-40:機銃を40丁ほど搭載した編隊掩護機。後に練習機TB-40へ改装された
BQ-7:無線誘導飛行爆弾型。途中までは有人操縦で、コース設定後操縦士は脱出する
CB-17G:空挺輸送型に改装された機体(空挺兵64名搭乗)。要人輸送型のVB-17Gも存在する
DB-17G:無人機(ドローン)指令機に改装された機体
QB-17L:無人標的機に改修された機体。同様の機体にQB-17Nもある
F-9:写真偵察型。他にもFB-17、RB-17といった写真偵察型機体も存在する
PB-1:米海軍の各種試験用として使用された機体(B-17FおよびB-17G)の呼称
PB-1G:米沿岸警備隊使用の海上救難機型呼称。B-17Hと同様の改装がなされた
PB-1W:胴体下に捜索レーダーのレドームを装備した米海軍の早期警戒機型