マーチン B−10爆撃機

Martin B-10

合衆国陸軍航空隊 他

B-10B
米陸軍航空隊第28爆撃飛行隊のB−10B

 1930年代当初、マーチン社はこれまでの爆撃機よりも劇的に進化した構想に基づく機体の開発を 開始した。モデル123と名付けられたこの機体は引き込み式主脚を持つ片持ち中翼単葉の機体で、1 932年2月に完成した原型機はXB−907の名で公式に審査されることとなり、この審査で米陸軍 が当時保有するどの戦闘機よりも高速を発揮して軍関係者を驚かせている。機首銃座を追加した生産前 機XB−907Aは1933年1月に48機の生産発注を受け、米陸軍はB−10の呼称を与えた。
 米国陸軍初の全金属製単葉双発の爆撃機として1934年から生産機の配備が開始され、一部の機体 には降着装置の代わりに双フロートを装備する水上爆撃機としても使用された。米陸軍では太平洋戦争 初期まで使用されており、開戦時日本軍の急襲を受けたフィリピンなどで日本軍に捕獲された機体もあ った。
 オランダや中国、アルゼンチン、シャム(現在のタイ)、トルコなどにも輸出されており、オランダ 領東インドでオランダ軍により実戦に参加した機体は第二次大戦で最初に実戦参加した米国製爆撃機と なった。

機体詳細データ(B−10B)
全長13.64m全高 4.70m
全幅21.49m翼面積62.99m2
自重4,390kg最大重量7,400kg
最高速度343km/h(高度1,800m)上昇限度7,400m
航続距離2,000km巡航速度300km/h程度
発動機ライト R-1820-33 星形空冷9気筒 775馬力×2基
乗員数3名総生産機数350機以上
武装7.62mm機銃×3(機首・後部・腹部各1)、1,030kgまでの爆弾
主要タイプ YB-10:初期生産型。ライトR-1820-25エンジン(675hp)搭載(14機)
B-10:追加生産の機体。YB-10と同等(2機)
YB-10A:排気タービン過給器付きエンジン搭載の原型機(2機)
RB-10MA:旧オランダ軍機。東インドから脱出後、米陸軍が徴用した(1機)
B-10B:主要生産型。R-1820-33エンジン(775hp)搭載(103機)
B-10M:標的曳航用に改造されたB-10Bの呼称
YB-12:YB-10同様の初期生産型。P&W R-1690-11エンジン(775hp)搭載(7機)
B-12A:YB-12と同様の機体だが、爆弾倉に補助燃料タンク搭載可能(25機)
B-12AM:標的曳航用に改造されたB-12Aの呼称
YB-13:YB-10にP&W R-1860-17エンジン(700hp)を搭載する機体。製作されず
XB-14:YB-10と同様の機体にP&W R-1830-9エンジン(950hp)を搭載した原型機(1機)
YO-45:YB-10にライトR-1820-17エンジン(675hp)を搭載した評価機(YB-10改修:1機)
Model 139:輸出用機体の社内モデル総称(全輸出数206機)
Model 139WH-1:オランダ向け輸出機体。同様な機体にWH-2型もある
Model 139WH-3:オランダ領東インド向け輸出機体。同様機体にWH-3A型もある
Model 166:Model 139同様の輸出モデル。操縦席風防が後部風防と繋がっているのが特徴