アブロ 621チューター/シー・チューター練習機

Avro 621 Tutor/Sea Tutor

英国空軍 他

Tutor
英国空軍のチューター基本練習機

 英軍では操縦士が空への第一歩を踏み出す基本練習機として1930年代初頭まで旧式なアブロ504N (原型アブロ504は1913年、エンジン換装型である504Nは1925年初飛行)を 使用していた。扱いやすく高度な飛行も可能な504Nは基本練習機として理想的な機体であったが、第一 線機の性能が向上するとこの旧式な練習機では能力不足となったため、1930年に英航空省が出した仕様 書T3/30に基づき後継機を求めることとなった。
 いくつかの機体を審査した結果、後継機として選ばれたのはアブロ621と呼ばれる機体で、鋼管溶接布 張り構造の複葉固定脚機だった。チューター(家庭教師や指導教員の意)と名付けられた機体は1933年 から空軍の飛行学校に納入が開始され、降着装置を双フロートに変更した水上機型もシー・チューターの名 で1934年から空軍水上機訓練校などに納入が行われている。また海外(アイルランドやカナダ、南アフ リカ、ギリシア、デンマーク、中国)への輸出も行われており、ポーランドなどではライセンス生産も行われた。
 非常に素直で扱いやすい飛行特性を持った機体ながら、曲技展示飛行に使用できるほど優れた能力も持ち 合わせた機体であったが、1930年代末になって第一線機が スピットファイアハリケーンへ移行していくようになると 練習機も単葉の機体が求められるようになり、当機は静かに消えていくこととなった。

機体詳細データ(チューター
全長 8.08m全高 2.92m
全幅10.36m翼面積27.96m2
自重 839kg最大重量1,115kg
最高速度196km/h上昇限度4,940m
航続距離402km巡航速度169km/h
発動機アームストロング・シドリ「リンクス」IVC 空冷星形7気筒 240馬力×1基
乗員数2名総生産機数795機
武装武装なし
主要タイプ Avro 621:原型および民間向け機体。アームストロング・シドリ「マングース」エンジン(155hp)搭載
Tutor I:英軍向け生産型。「リンクス」IVCエンジン搭載
Sea Tutor:英軍向け双フロートの水上機型。1938年に退役した
Tutor II:主翼支柱の配置を変更した試作機(Tutor I1機を改修)
PWS 18:ポーランドでライセンス生産された機体の現地呼称(40機)